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[アニメ] 電脳コイル 〜COIL A CERCLE OF CHILDREN〜 (でんのうこいる) 暇な狐さん [2008年5月27日]

シナリオ:☆☆☆☆
感動(泣):☆☆☆☆☆
熱い! :☆☆☆☆
不思議 :☆☆☆☆☆
作画:☆☆☆☆☆
音楽:☆☆☆☆

総評:90点



NHKやってくれたな、という神アニメです。

今から二十数年後。ユビキタス・コンピューティングが発達し、高度な通信インフラが整備されつつある日本を舞台に、電脳世界を視覚化できるメガネ型コンピュータ「電脳メガネ」を巡る少年少女たちの成長物語。
「ハイテクと伝統の国ニッポン」のイメージを、ジブリ調の淡く親しみやすい作画で表現している点が素晴らしい。神社や昭和の薫り漂う街並みと、街中に巡らされたSFチックな電脳空間がうまく融合して、懐かしいのに新しい、そんな雰囲気がよく伝わってきます。

また、この作品は電脳メガネや電脳空間にまつわる「都市伝説」を解明していく、民俗学ストーリーでもあります。特に、都市伝説が何故生まれるのか、どうやって人々に伝わり広まるのか、そして、都市伝説はどのように変化し、人々に影響を与えていくのか……ということが分かりやすく描かれています。
また、電脳空間の表現には日本神話や民間伝承の要素が取り入れられている点もポイントが高いです。

不思議だけではなく、熱い要素も盛りだくさん。「電脳マシーン」と呼ばれるメカ型ウィルスバスターソフトの活躍と、様々なプログラムを駆使した電脳バトルは手に汗握ります。後半に登場する電脳マシーン「2.0」の格好良さは群を抜いていますね。

主人公であるヤサコとイサコの絆は感動です。それぞれが抱えていた秘密が終盤で一つに繋がり、二人はより強い絆を手に入れる……という流れは最高でした。
ただ、終盤に様々な要素を詰め込み、複線を一気に消化しようとしたためか、展開を理解するのに時間がかかった面もありました。ただ、それを補って余りある良作です。コンピュータや民俗学に興味のある方にオススメですね。

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