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[ラノベ] キノの旅―the Beautiful World (きののたび) 昼の真澄さん [2007年10月6日]

シナリオ:☆☆☆☆
ほのぼの:☆☆☆
不思議 :☆☆☆☆
挿絵:☆☆☆☆

総評:85点

電撃文庫
作者:時雨沢 恵一



2007年10月06日現在11巻まで出てます。

☆ストーリー
銃の名手である人間のキノと、しゃべることのできるモトラド(二輪車。空を飛ばないものをさす)のエルメスが旅をして、いろいろな国に行き様々な人に出会う話。


それぞれ国によって、人の心の醜い部分などの、どこか一部分だけが大げさになってしまったかのような個性的な世界を築いており、文明レベルも様々です。キノはその国々に三日間だけ滞在しますが、特に何かするわけではありません(たまに干渉することもありますが)。客観的に見つめ、何かを思い、そしてただ去っていきます。この本の良さは、何が正しく何が間違っているかの答えを明確には出さず、読者にゆだねるところだと思います。いろいろと考えさせられます。

キノとエルメスのやりとりも面白く、キノの性格(物語の主人公によくあるような正義感たっぷりの熱い人でも、人生に悲観して廃れた人でもなく、その時々に冷静に判断し行動する、ヒーローでも悪者でもない、自分の意思を明確に持った人)も作品の良さを強めているように感じます。あとがきも面白い。

派手さは全くありません。ド派手な戦闘ものや、何も考えなくても笑えるギャグ話、ニヤニヤしてしまうギャルゲ風な話などをもとめる人にはあわないかもしれません。いろいろと考え、悩みたい人におすすめです。

時系列がばらばら(確かばらばらだったと思う)で、国ごとの短編形式なのでちょっとした時間にさらっと読めます。

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