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[アニメ] 真・救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章 (ほくとのけん) 鍵月さん [2007年2月16日]

シナリオ:☆☆☆
感動(泣):☆☆☆
感動(驚):☆☆☆
熱い! :☆☆☆☆☆
作画:☆☆☆☆☆
音楽:☆☆☆☆☆

総評:80点



2006年の春に劇場公開された作品です。

かの「北斗の拳」の原作・聖帝十字陵編をメインとして、原作では描き切れなかったラオウの側面を描写した作品!という触れこみです。

さて、タイトルに「ラオウ伝」とありますが、ラオウはあまり活躍しません。サウザー編にチョコっとラオウの新エピソードを追加したくらいです。

作画は劇場版なだけあって、かんなり迫力あります!当たり前ですが昔のアニメ版とは段違いです。

音楽も終盤に哀愁と高揚感を盛り上げてくれる名BGM揃いです。ちなみに問答無用の名アニソン「愛をとりもどせ」も挿入歌としてありますが、こちらは残念ながら出だししか聞けません。

阿部寛ケンシロウもなかなかいい仕事してます!

ただし、致命的な問題がいくつかあります!
まずはラオウ!声は巷の評価通り、迫力と威厳があまり感じられません。これは宇梶さんの技量より起用した側の問題でしょう。加えて彼らしくない言動も多すぎです。全体的にラオウの存在が悪い方向に丸くなってます。
そしてサウザー!彼のエピソードが改変されてます。…というより消去されてます。
なぜ、原作でサウザー編が読者から人気があったかというと、数々の名言と彼の意外な本性に「哀しみ」を誘われたからです。

しかし、彼のエピソードカットによってただの悪党に堕ちてます…

これはキツイッ!

総評として、動く北斗が観たい人は是非観るべきです。面白いです。原作至上主義の方には向きません。
あと、この作品の誕生の背景にパチスロ北斗の人気が無関係では無いことを示唆する演出がなされてるので、スロッターの人も観てみると面白いでしょう。
☆ネタバレ

サウザーのエピソードカットされた部分は「お師さん」イベントです。なのでサウザーと「愛」については語られていません。にも関わらず、ケンシロウはサウザーに有情の拳でトドメを刺すのですから、ストーリーの整合性がありません。十字陵建設の存在価値も落ちてます。

制作サイドもかなり重要な部分と捉えていたそうですが、サウザーにとっての「愛」のエピソードを描いてしまうと、ストーリーの方向性が見えなくなるから断念した、とテレビ番組で語ってました。
残念です…

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