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[コミック] 東京アンダーグラウンド (とうきょうあんだーぐらうんど) 忘我さん [2007年4月26日]

シナリオ:☆
笑い  :☆☆
熱い! :☆☆☆
不思議 :☆☆
作画:☆☆☆☆☆

総評:30点

作者:有楽彰展



14巻完結。王道中の王道をいく設定、ストーリー展開を披露する格闘マンガです。

まず良いと思う点から述べていきます。

作者の画力が、後半になると滅茶苦茶高くなります。イラスト、とくにバトルシーンに迫力があり、絵を最重視する方ならそれだけで買う価値がありそうなほどです。

また、これは私や一部の方の見解ですが、ストーリーの中核を担う「ヒロイン」と主人公のパートナー的「ヒロイン」との役目が分離した珍しいタイプの作品でもあります。つまり、ヒロインが2人いるわけです。大抵の作品は1つに集約しちゃうので、この点は興味深いところでした。

一方、悪い点というとかなり目立ちます。

まず、学業をあっさり捨てて敵の牙城に突っ込んでいくという序盤のストーリー……学生であるのにその点が全く無意味と化しています。後の「ハガレン」と違い、少年主人公の意味が見えません。その他、作者の都合にキャラクターを無理矢理合わせたと思われる箇所がかなりあります。

また、中盤まではかなりゆっくりとしたストーリー展開であるにも関わらず、終盤はあまりに急速に展開しすぎているため、ストーリーについていけません。実際、作者もついていけなかったのか、設定のまま終わった箇所や、抽象的にぼかされた部分がかなりあります。この点、恐らくは作者が書くことを放棄したのか、打ち切りが決定して無理矢理終わらせたかの要因が考えられます。

また、味方キャラクターを増やしすぎて、掴み切れません。作者ですらも扱い切れてないようですし。

主人公やヒロインが、「復活」するという展開を多用したのもあり、ストーリーも正直シラケざるを得ない内容です。

ストーリー重視の方は絶対に買わないほうが良いです。イラストの継ぎ接ぎだと思って読むのが無難です。完結作品で、中古店に大量在庫が並ぶ品である故か、今、本屋で全巻揃えるのは難しいカモ……。

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