●[ラノベ] 煌夜祭 (こうやさい) とろろさん [2008年1月28日] |
・シナリオ:☆☆☆☆☆
感動(泣):☆☆☆☆
怖い :☆☆☆
不思議 :☆☆☆☆☆
・挿絵:☆☆☆
・総評:90点
・その他の文庫 ・作者:多崎礼
「どうして魔物は―― こんなに美しくて、儚いんだろうな」
2006年、圧倒的な筆力を持って登場した多崎礼のデビュー作。 『新人ってレベルじゃねぇぞっ!』が合言葉。 ていうかこんな物凄いレベルになるまで目を付けられなかったことが納得いかん。
------内容-------- 十八諸島の世界を巡り、世界各地で話を集め、他の土地へと伝え歩く。それが我ら語り部の生業。冬至の夜、我らは島主の館に集い、夜を通じて話をする。それが煌夜祭―年に一度の語り部の祭。お話ししよう。夜空を焦がす煌夜祭の炎壇でも照らすことの出来ない、真の闇に隠された恐ろしい魔物の物語を…廃墟となった島主の館で、今年もまた二人だけの煌夜祭が始まった―!第2回C・NOVELS大賞受賞作。 ------------------
この二人の語り部による7つの短編が どれも綺麗で、どれも残酷で、ただただ揺さ振られました。 ノスタルジックな哀愁がよい。 涙がじわりじわりと溢れる。
魔物の設定が秀逸すぎます。 なぜ生まれるのか、なぜ喰らうのか、なぜ不死なのか。 全てに意味がある魔物の謎。 連作短編で、最後には全てが一つに収束されます。
だからこれ新人レベルじゃねぇぞ。
伏線の上に伏線を重ねるという難解さを持っているので、 後半になるほどに情報量も多くなり、混乱する可能性も高いという。 でもそれがいいのです。 心に残るであろう、大好きなファンタジーでした。 投稿暦17年が指し示す努力の結晶。 お薦め。
★ネタバレ(↓に白文字で書かれています) 別所に書いたレビューの転用になりますが、それだけお薦めということで。
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