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スズノネセブン! Portable クロシェット / アルケミスト (すずのねせぶん ぽーたぶる) あとりさん [2014年6月30日]

・シナリオ:☆☆
・H度:☆☆
・GAME:☆
・音楽:☆☆
・CG:☆☆☆☆
・難度:☆

・総評:66点



■あらすじ
魔法が発展しはじめ、ひとつのエネルギーとして確立されたもうひとつの現代世界。

主人公たちの通う「スズノネ魔法学園」は、魔法と科学の融合を目指して設立された教育機関で、各界に優秀な人材を多く輩出することで有名だった。

だが、そんな名門校にも落ちこぼれは存在する。
毎年、成績の悪い7人が選ばれ「スズノネトライアル」と呼ばれる強制合宿に参加させられるのだった。
そこでは、特殊な課題が与えられ、これをクリアしなければ進級または卒業が認められず、退学になってしまうと言うのだが……。

そして、今年もワースト7が選ばれる時期がやって来た。
最低で最高な合宿生活スタート!


■シナリオ
学園もの+αのキャラ萌えゲー。
クロシェットと言うと、前にプレイした『あまつみそらに!』が結構微妙だったので心配していたけれど、
杞憂だった……とキッパリ言うこともできないな。うん。

『あまつみそらに!』より面白いし、好きなのだけれど、此方は此方で不満が多々ある。


●共通
既存のシナリオのみなら3時間、追加ヒロインの新規シナリオを合わせたら6時間ほど。
トライアルが始まって一週間ほど経ったところ、主人公が魔法を使って人の願いを叶えるという課題を伝えられて終わり。
短いけれど個別の展開を考えるとこんなものか。

内容はヒロインとわちゃわちゃするコメディ調。
個人的にはもう少しドタバタ感が欲しいけれど、世界設定の説明もナチュラルでスムーズに受け入れられるし、良いかな。

●美奈都
このお話は、最初にするべきではなかったかも。
他の個別ではヒロインの願いを叶えるのに対し、このお話では美奈都を助けてほしいという真の願いを叶えて課題をクリアすると言う点もそうだし、
純粋に面白かった&美奈都がかわいかったので。

●真夜
このお話も良い。
真夜さんが予想外にかわいいし、主人公の行動力も半端ない。

●柚子里
このお話は駄目。
前二人が良かったこともあるけれど、私、このお話は嫌いだ。
魔法少女に憧れて夜な夜な悪事を片付けているという柚子里先輩。
真面目な柚子里先輩が校則違反を犯してまでそうするのは、実は、お付きの莉里の両親を殺した男を倒す為だったというところまでは良い。

のだけど、魔法少女への拘りがどうもアホくさく感じる。
魔法少女が絡んだ時の柚子里先輩のノリが恥ずかしいというか痛い。
犯人の男を遂に倒すチャンスが来た時まで魔法少女気取って決め台詞とか言っちゃってるのには呆れた。真面目なシーンなのにふざけていて、ライターはどうしたいのよ? と。

あとこのお話の主人公が、ものすごいキモい。
柚子里先輩に対していきなりセクハラ発言をする。それが、思春期の男が女の子を意識してしまっていた結果出た言葉ならまだしも、どう見てもスケベ親父のセクハラで気持ち悪い。
というか柚子里先輩クラスで貧乳て、冗談も大概にせいよ。

それと、主人公が柚子里先輩にキス以上のことを求めようとして「これ以上のことは幸村が卒業したらね」と交わされるシーンが二度ほどあったけれども、
がっつきすぎ。それ自体は一応(セクハラ親父にしか見えなくても)思春期の男だし仕方ないと言えるけれど、年下だからこそ余裕を持たないと駄目だろ。同じ言葉で二度交わされて、純粋にカッコ悪いと思った。

課題のクリアも無理矢理だし、モチベーションだだ下がり。

●すみれ
すみれの課題を探す下りはとても良かったけれど、主人公の課題のクリアの下りはとても残念。
あそこはもう一度何かピシッと決めて合格してほしかった、何かなあなあに終わってガッカリ。

●トア
トアの課題が皆の協力が必要不可欠なものなので、皆出てくるし、終盤のセブンが全員でトアの課題をクリアするシーンはなかなかのもの。
やはり何かしらの理由があって集まっている以上、こういう一致団結する話はあってほしいので、トア編はとても良かった。

●仁乃
仁乃の暴走をどうにかなくす→落ち着いてもらう為に魔法を使う前にマッサージ、という発想はいいのだけど、マッサージ機を作って仁乃が体を揉まれる様を見てニヤニヤする主人公は正直キモい。
ちょっとした悪ふざけはずなのにどうしてこの主人公だと親父のセクハラにしか見えないのか。共通や他の個別(柚子里先輩を除く)では真面目な好青年だからなのか。

お話自体は普通だけれど……仁乃かわいいよ仁乃。


■シナリオ(総評)
良くも悪くも普通。起伏がゆるくて基本的には退屈、たまに笑えたりヒロインに萌えたりと、無難なキャラ萌えゲーでしょう。

ただ魔法に関する説明が少しクドイというか、丁寧すぎるというか、もう少し簡潔に説明してくれたら良かったけれど。
魔法に関する理論はちゃんと読まなくても話の流れは分かるけれど、少しは読まないと細かいところは分からないかも……という微妙なレベルで、もう少し簡潔に説明してほしかった。長い。


■キャラクター
ヒロインは全員かわいい。
『あまみそ』のように特定のヒロインがものすごく苦手ということもなく、全員が魅力的だと思う。

サブもまあまあ。
特に真・要先生は良い味を出している。

主人公がね……。
共通と美奈都・真夜さん編の主人公は素敵。
仁乃・すみれ・トア編の主人公はまあまあ。
柚子里先輩編の主人公がすごく気持ち悪い。

柚子里先輩編以外はそんなに駄目という訳ではないけれど、柚子里先輩編の主人公が本当に気持ち悪いんだよね……。
なので美奈都・真夜さん編の主人公はすごく良かったのに素直に誉められない。


■H度
特になし。


■GAME
次の音声再生まで再生中の音声を止めない機能あり、ボイスハイライト機能あり、フォント変更可、ロードが速いなど、今までプレイしたアルケミスト作品の中で一番快適。

ただ、取説ではスクショはCGモード時・CG表示時のみと書いてあるのに、実際は普通に立ち絵・背景表示時でも撮れる。
ミスなのかわざとなのかは分からないけれど、いつでも撮れるのに、気付かずCGしか撮らない人もいるだろう。


■音楽
●BGM
BGMは全21曲。
質はまあまあ。悪くもないが、特に記憶に残らない。
「おでかけしましょ」「瞳が微笑むまで」などが○。

●ボーカル曲
・OP1
「ほんとにほしい魔法の呪文」 / Rita

・OP2
「終わらない魔法」 / Rita

・ED1(仁乃・柚子里・美奈都・すみれ編ED)
「With you」 / 茶太

・ED2(トア・真夜編ED)
「夢から覚めても」 / 茶太

エンディングはスキップできるし、オープニングも機動毎に流れる訳でもなし、二周目以降もプロローグスキップをしたら流れないし、ムービーモードもないので、どちらとも聴く機会が少なく、印象が薄い。

特に「終わらない魔法」はタイトル画面で流れるのを待つしか観る方法がなく、非常に勿体ない。


■声優

朋永真季 田口宏子 小林眞紀
あおきさやか 阿澄佳奈 寿美菜子
新堂真弓 風音 澤宮菜穂 深津智義
やなせなつみ ルネッサンス山田

良かったのは朋永真季氏、あおきさやか氏。
特にあおきさやか氏はこの前にプレイした『D.C.U』の美夏と声が全然違くて良かったなと。

逆に良くなかったのは寿美菜子氏。
単純に真夜さんには合っていない。
真夜さんって要先生の同級生ということは、二十代半ばだと思うのだけど、どう聞いても十代の声で違和感があった。
実際寿氏は若いし(PSP版はPS2版のベタ移植で、PS2版の発売は2009年、収録も同年と考えると、当時寿氏は18歳)、もう少し大人の女性声優が良かったと思う。


■CG
絵師は御敷仁氏。
髪の色がカラフルで目と胸が大きく、ザ・萌え絵という感じ。
かわいらしい絵。今現在の御敷氏の絵も見たけれど、個人的にはこの頃の絵柄の方が好き。

CGは全68枚と少なめ。
数は少ないものの質は安定していて差分も充分で、よろしい。
ただキスシーンの構図がどれも微妙というか好みじゃないことと、合宿をしているのに全員集合の絵が一枚もないのが残念。

立ち絵は差分も多めで演出も細かくコロコロ切り替わるので、立ち絵の方がいいかな。
あと背景も綺麗で○。


■難度
ごく普通の選択肢式。
数も少ないしヒロインの名前が入っているものばかりなので、簡単でしょう。
既存ヒロインと追加ヒロインで分岐がハッキリと別れているのが楽でいいね。

攻略縛りはなし。
オススメの攻略順は強いて言うなら美奈都を後の方、トアを最後にしたらスッキリ終わる。


■総評
薄いシナリオの割に魔法の説明はある程度読んどかないといけないのが面倒、柚子里先輩編が嫌い、など個人的に微妙なところもあるけれど、総合的にはまあまあの作品で、少なくとも『あまみそ』よりは良かった。
普通の萌えゲー。

★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
実は女性キャラクターの中では要先生が一番好き。
やはりこういう駄目な年上が似合うな、風音氏は。

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