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D.C.U P.S. CIRCUS / 角川書店 (だかーぽつー ぷらすしちゅえーしょん) あとりさん [2014年5月25日]

・シナリオ:☆☆☆☆
・H度:−
・GAME:☆☆☆
・音楽:☆☆☆☆☆
・CG:☆☆☆☆
・難度:☆☆☆

・総評:82点



※『D.C.I&II P.S.P. 〜ダ・カーポI&II〜 プラスシチュエーションポータブル』より。


■あらすじ
あれから53年━━再び一年中、桜の花が枯れなくなった初音島。

季節は冬。地面にはうっすらと霜が降り、空からは純白の結晶が舞い落ちる中、春のように咲き誇る桜の木々。
出会いと別れ、喜びと悲しみ。
ゆらり、ゆらりと舞い落ちる桜の花びらを眺めながら、少年は白い息を吐き出し、少し先の春を夢見た。

今また、こそばゆくも温かく切ないラブストーリーが幕を開ける。


■シナリオ
前作が微妙だったので、期待値が下がっていたこともあるけれど、今作は普通に面白かった。


●共通
一周の流れは、

第一部(クリパの準備・本番)
 ↓
第二部(第一部で選んだヒロインによって異なるイベントに分岐)
 ↓
第三部(ヒロイン個別ルート)

となっており、共通が二部構成となっている。
第二部のイベントはヒロインによってバンド、スキー旅行、生徒会合宿、補習合宿、家で過ごすと細かく分かれており、イベントの量が膨大。
Tにあった作業感も単調な感じもなく楽しい。

●小恋
ななか・渉との四角関係ルート。
見ていてモヤモヤするし最後も、終盤、主人公と渉は話すのに、ななかと小恋が二人で話すシーンはなく、エピローグでいきなり元の関係に戻っていたのは納得いかない。

●ななか
小恋・渉との四角ルート……だけれど小恋編と違い、関係のこじれよりななか自身にスポットが当てられている。
私が三角関係が嫌いなのは、仲良しだった女の子たちが、主人公を取り合うことでギクシャクするのが嫌なので、
親友と同じ人を好きになることで、初めて本当の自分で、自分の言葉で小恋と向き合うななかルートは良かった。

●美夏
美夏は第一印象が悪く、期待していなかったのだけれど、良かった。
美夏が良い子すぎるし、エンディングへの入り方も良し。エピローグの展開し急に感じるけれど、凄く良かった。

●麻耶
序盤はニヤニヤ出来て良いのだけど、中盤からの展開は美夏編と一緒で美夏編の方が圧倒的に出来が良いので、少し微妙。
あと最後、もっと美夏と仲良くなってたら良かったのに。

●エリカ
話自体は悪くない。逃走劇とかトラップを仕掛けたりとかの下りは面白かった。
けれど、エリカが、尋常じゃなくウザいのでどうともね。

●まゆき
話自体は良かった。こういうスポ根な話は好きなのでね。
文句はまゆき先輩の見た目があまり好みじゃないくらい。

●まひる
まひるは幽霊なので初めからオチが見えていたけれどそれでも良かった。
エピローグは切ないけれど、奇跡が起きて戻ってくるよりはずっと良い。

●茜
Tの萌先輩のお話に少し似ている気がする。
そして萌先輩のお話で感じた不満がこのお話ではなくて良かった。

●杏
まあまあ。最後の展開が強引というか雑な気がするけれど、エピローグは良かった。

●由夢
話は割と面白いのだけど由夢があまり好きではないことと、由夢の「またお姉ちゃんか」という言葉に込められた想いをもっと描いてほしかったな、と思う。

●音姫
今まで貼られた伏線を回収するので面白さはかなりのもの。
さくらと主人公が夢の中で話すシーンは泣いてしまったし。

●da capo
音姫からまひるまでのヒロインを攻略した後に出るお話で、さくら視点で語られる。
このお話が一番面白かった。というか、音姫編と同じところで泣いてしまった……。

●al fine
da capoをクリア後に解放される、音姫編と由夢編の続き。
da capoの最後のさくらの想いがこうさせたのかと思うと、かなりクるものがあるね。

●アイシア
ラストを締め括るに相応しいお話。最後のさくらとアイシアの笑顔のCGが、正にラストだという感じがした。


■シナリオ(総評)
えっと、隠しヒロイン二人はやってません。
攻略サイトを見て進めてもルートに入れず、アイシア編が良く満足していたのでもういいかなと。おまけ扱いだしね。

面白かった。特に音姫編からアイシア編までは素晴らしかった。
Vにも期待。話を忘れないうちにやりたい。


■キャラクター
Tのヒロインは数はいるけれど全員が魅力的とは思わなかった。
Uはどのヒロインもシナリオがしっかりしている分魅力がある。

のだけど……一番のお気に入りはさくらかな。
Tから好きだったけれどUでもっと好きになった。
Uのヒロインでは美夏・ななかがお気に入り。

あとUの親友キャラクターの渉はいいけれど、杉並のミステリアスさが減ったのは残念。その分、友達付き合いが良くなったのだけれど。


■H度
シナリオ的には特になし。
ただ小恋の体操服の立ち絵が名前のところが胸で潰れてエロい。


■GAME
システム面はTと一緒だけれど、Uはクリア後にキャストインタビューがある。
ヒロイン分あるのはいいけれど、さくらや杉並がないのは不満。


■音楽
●BGM
全61曲で質もかなりのもの。
お気に入りは「たった一つの大切な…」「too alone」「pillow talk」「white cherry」。
聴く機会が多い「陽のあたる教室」「Dream of Cherry tree」も印象に残っているかな。

●ボーカル曲
・OP1
「beautiful flower」 / 美郷あき

・OP2
「Especially」 / 橋本みゆき

・OP3
「ダ・カーポU 〜あさきゆめみし君と〜」 / yozuca*

・挿入歌1
「Time will shine」 / Alchemy+

・挿入歌2
「Cloudy」 / yozuca*

・挿入歌3
「Tomorrow's Way 〜アツイナミダ〜」 / 橋本みゆき

・音姫&由夢編ED
「If… 〜I wish〜」 / 美郷あき

・小恋&杏編ED
「Little Distance」 / 桃田佳世子

・ななか編ED
「まぶしくてみえない」 / yozuca*

・美夏編ED
「仰げば尊し」 / 風見学園一同

・茜&麻耶編ED
「1sec.」 / 瀬名

・まゆき&エリカ編ED
「ラブソングを君に」 / rino

・まひる&アイシア編ED
「さよならの向こう側」 / 美郷あき

・グランドED
「Spring has come」 / rino

圧倒的な量と質! 主題歌は群を抜いている。
どれもすごく良い曲なのだけど、「Spring has come」が最強。


■声優
高垣彩陽 堀江由衣 南條愛乃 茅原実里
あおきさやか 岡嶋妙 やなせなつみ
水橋かおり 伊藤静 釘宮理恵 広橋涼
宮崎羽衣 植田佳奈 花澤香菜
岸尾だいすけ 山口勝平 浅川悠
下田麻美 伊藤健太郎 チョー 今井麻美
羽多野渉 折笠富美子

豪華声優陣、演技にも不足なし。
なのだけど、ボイス抜けが酷い。
所々抜けてるとかではなく、一つのイベント丸々抜けてたりする。
バグではなく仕様と言われた方が納得するくらい抜けてる。
でも公式サイトにフルボイスって書いてある……。う〜ん。


■CG
絵師はたにはらなつき氏、ちのちもち氏、みつまむ氏、かゆらゆか氏、えこ氏、立羽氏、鷹乃ゆき氏と多いけれど、Tのように一人だけ強い訳ではなく、バランスが取れていていいと思う。

CGは全212枚。
一人で複数のキャラクターを担当しているので仕方ないけれど、少し構図が同じようなものがあるのが気になる。特に小恋。
個人的に美夏は引き気味の構図の絵が多くて綺麗だったと思う。

立ち絵も差分が凄く多い。後ろ姿の立ち絵は初めて見たけれど、後ろ姿の絵があるだけでこんなに演出の幅が広がるのか、と驚かされた。
エフェクトも効いていて、グラフィックはかなりレベルが高い。


■難度
マップ選択&選択肢式。音姫〜まひるの12人のさほど難しくはない。
ただ隠しヒロインのルートの入り方がサッパリ。ヒント等もないし。

攻略縛りは音姫〜まひるまでの12人を攻略後にda capoが解放、da capoを読破後にal fineが解放、その後にアイシアと隠しヒロインが解放と結構あるけれど、順番自体は大して気にしなくてもいい。


■総評
Tから正統進化した作品。面白かった。
ソフト二本で一本分の値段でお得だし、それも含めて良作かな。

★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
da capoシナリオのラストがよく分からないのだけど。
あれはさくらの夢? 現実?
最後にさくらに話しかけた子は誰?

この伏線はVで回収されるのかな?

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