・ｼﾅﾘｵ：☆☆☆☆
・Ｈ度：☆☆☆
・GAME：☆☆
・音楽：☆☆☆
・ＣＧ：☆☆☆☆
・難度：☆☆

・総評：80点

---

■あらすじ
一昔前、土地神と精霊に護られていた御代街。
そこは、静寂と何処か神々しささえ、感じる場所。

しかし、それも今は昔のこと。
都市開発によって急速な発展を遂げた街に、そんな伝承を信じているものは、いなかった。

それでも、伝承の名残ゆえか１０年に一度、土地神祭を開いており、街の人々が総出で参加するイベントとなっている。
主人公の瀬川彰人はその血筋から、祭りで神官の役を務めることとなり、幼馴染の捺菜は土地神の巫女の役が決まり、何だか特別な予感がしていた。

祭りで街が活気を帯びる中、不可解な事件が起きる。
『不思議な生物をみた』という噂を意に介さなかった彰人だったが自分もまた、誰の目にも映らない不思議な生物を目撃してしまう。

捺菜曰く、それは都市開発によって行き場を失った精霊なのだという。
当惑する彰人と捺菜は結界によって護られた、禁足地の森の奥へと精霊を還しに向かう。

そこで彰人は古来から、ここへ住まう土地神・涼と出逢う。
彼女と出逢ったことで街のあちこちで出現する精霊たちを保護し、森へ還すことを決意する。

これは人と、精霊たちとの時代を超えた”絆”の物語。

■シナリオ
いつもの渦巻からは考えも付かなかった、かなりの部分で心理描写や展開の描き方が、そこそこ丁寧になっており、全体的な物語の出来は大きく、向上した。

とはいっても、共通部分の面白さとかはいつものレベルなので毒にも皿にもならない。
精霊について、キャラの心理については細かい部分まで描いている為、文章量が多く、中だるみやや冗長に感じる部分も。

個別について
・捺菜
土地神に仕える巫女という設定ゆえ、涼と並んで重要度の高いヒロイン。
ベタベタな幼馴染な部分もあるがポイントは高い。

設定が少々、悲劇的で幼馴染なので(ここは個人的に)最初にハマると無限ループに陥る危険性もある。

・佳華
声優的にも仕方ないがウザキャラ属性なので、好き嫌いの分かれそうなヒロイン。
展開は他とやや、雰囲気を隔てていて、ご都合主義というかイミフ展開が目につく。

過去編の優遇度合いでは随一ではある。

・羽衣
原因不明の病を患う妹持つ、後輩ヒロイン。
神具の伝承について描かれる物語で展開は病に関するものが中心。
設定的に仕方ない部分もあるがやや、ご都合主義。
しかし、二転三転で忙しいシナリオの中では締まっている方

・月音
おっとり系の先輩。
ファンタジーSF超展開とか神越えてる程度のレベルのショコラ様無双のご都合主義。

というわけで良く分からないけど、イチャイチャ分多めだしイイよね？って思えたら勝ち組。
肝となる父親は悪者って感じでなく、そこそこ物分かりの良い人なのは好印象

・涼
昔から街を護ってきた寂しがり屋の土地神様。
おそらく、作中で１人メインヒロインを選ぶなら彼女。
このソフトの良い部分・悪い部分が一手に集約されたルートだと思う。

『風』との関係、精霊・彰人の問題、土地神についてなどの問題を欲張り過ぎて、展開も長くてご都合主義を何とか回収しようとしてるんだけど追いついてない。

そこらへんの駆け足部分をもう少し、何とか出来たらなぁ……と思いつつもラストの真実の意味での涼の大団円を迎えるトコロは流石の破壊力。

■Ｈ
捺菜→３
佳華→３
羽衣→３
月音→３
涼　→３

涼を除いて、最後の１シーンは絆語り(本編別枠)に入っている。
尺はやや、長めだけど濃さは普通かやや薄。
騎乗位が多いのが気になる。
良い意味で。

■GAME
環境は特筆点はなく、整っている。
一日の節目にオートセーブがかかる

キャラの舞台や説明を補足してくれる『TIPS』
あと修正パッチが公式にある

■音楽
主題歌OP
【『Believe forever】
Vo.佐藤ひろ美

エンディング１
【Treasure/Pleasure】
Vo.桜川めぐ

エンディング２
【最愛】
Vo.霜月はるか

主題歌は佐藤ひろ美お得意のアップテンポの元気系。
エンディング１もアップテンポ。
余韻が残る感じがいい
エンディング２の霜月はるかはしっとりめ。
個人的には一番、ハマった

■声優
遠野そよぎ(捺菜)
五行なずな(佳華)
みる　　　(羽衣)
松田理沙　(月音)
海原エレナ(涼)

■ＣＧ
ＣＧ枚数は１１０枚＋３０枚(ＳＤ原画)とここ最近では、かなりのボリューム。
大体の欲しいシーンではＣＧがあると思う。

てんまそ(メイン原画)
こもわた遙華(ＳＤ)

質はいつものコンビで安心。

■難度
共通が３時間〜、個別が４時間くらい。
総プレイ時間は２０時間程度。

各ヒロイン個別後に【絆語り】があって、それを見て初めて大団円の２段構えで、各４人攻略後に涼の【神語り】が解放される。

■総評
贔屓目に見なくても前作までよりも大幅に質の上がった佳作〜良作。

ただし、いつものファンタジー路線で細かい設定の不備やらが気になっちゃう人には向かないと思う。
いつも、このくらいのシナリオの出来が出来れば、渦巻デフォ買い出来るんだけどなぁ

★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
今回、基本的に捨てヒロインがいないのが好印象。
どのヒロインもそこそこ、上手くまとめている感じ。

まあ、個人的には設定や幼馴染属性的にどうしても、捨てるなんてとんでもない！という捺菜とツボにハマった涼がイチオシなんですけどね