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Angel Ring MOONSTONE (えんじぇるりんぐ) 真風さん [2010年8月15日]

・シナリオ:☆☆☆☆
・H度:☆☆☆
・GAME:☆
・音楽:☆☆☆
・CG:☆☆☆☆
・難度:☆

・総評:75点



■あらすじ
主人公の悟は二次元に恋する、健全な男の子である。
ある日、彼は偶然に衰弱した真白な鳩を保護する。

翌朝、目が覚めた彼の眼前にあったのは見知らぬ女の子が自分の体に抱きついている光景だった。
これは夢の中なのか、それとも現実なのか、状況に戸惑いつつもどうしようかと思案する。

【……ちょっとアニキ、さっさと起……―――hをいふgwgwふぇf】

声にならない悲鳴を挙げたのは今更、考えるまでもなく妹の佐奈。
それもその筈。
目の前の女の子は抱きついているだけでなく、一糸纏わぬ姿だった。

■シナリオ
共通ルートを始め、作品全体の雰囲気を通して毒にも薬にもならない空気で特徴がない。
良く言えば気楽にプレイ出来、悪く言えば凡庸で創作性に欠ける、何処かで見たような展開。

ただ、ヒロインの愛天使を筆頭に多少、癖があるヒロインに良くも悪くも色々と振り回される展開がある部分に鬱陶しくなるかも知れない。
けれども、月石の前作までと比べてスッキリとまとまって、冗長を感じるトコロが減ってて良くなっている。

個別ルートはメインヒロイン4人、準ヒロイン2人となっていて準ヒロインのルキア・梓はメインに比べて純粋にシナリオが短くなっている。
ヒロインによっても出来如何にやや、落差がある。

澄佳・梓ルートは主人公の設定や過去の心理的外傷を上手く対比させることで過去と現在、目の前のヒロインとの言葉に説得力が見られること。

イチャラブ描写もそれなりにあるので充実感もある。
それに加えて、澄佳は幼馴染ヒロインとして、梓は裏表のないヒロインとして出来が良い。
惜しむらくは梓が準ヒロインでやや、短い点くらい。

美鶴は良くある、お嬢様との恋愛モノとして凡庸で平均的だあるという以外には特に、問題点はない。
美鶴との関係・周囲との関係とネタもまあ予想範疇で標準点くらいは付けれる出来にはなっている。

ルキア・ミカは愛天使と接している内に……という、これまた普通で特徴に欠けるシナリオ。
双ヒロイン共に愛天使としての仕事と嫉妬心との間で揺れるニヤニヤするやり取りを楽しめばいいとおもうよ。
あとは成長物語としてもまあまあ。標準点。

佐奈は恐らく、一番評価が下だと思われる。
題材としては実妹との近親相姦的な恋愛に悩むシナリオで王道ではある。
基本、佐奈ルートでは終始に悩む展開オンリーなのでやや、シリアスで一線を画している部分がある。

で、過去に主人公を間近で見ていたハズの設定が生かされていない消化不良。
他のルートが霞むくらい、愛天使が勘違い空回りしてくれた上にやっと、くっ付くので見ててイマイチ。

あとは実妹との恋愛というカテゴリー特有の展開(激しくネタバレに尽き、ここには書かない)が微妙で実妹モノとしてもイマイチである。

■H
澄佳  4
美鶴  4
ミカ  4
ルキア 2
梓   2
佐奈  6(※1)

尺・濃さ共に普通くらいだが回数はまあまあ、頑張ってると思う。
内容はオーソドックス。
薄々と感づいた人もいるのではないだろうか。

佐奈の本番は1回である。
6回もあって本番は1回である。
バカじゃないの?
がっかりですよ

■GAME
セーブスロット数89個。
スキップ速度  普通
システム実装  標準

■音楽
主題歌
【Angel Ring 〜繋げようよ 恋のリング〜】
Vo.Cy-Rim Project

ED
【ずっと二人で…】
Vo.Cy-Rim Project

前者は明るめで後者はスローテンポ。
今作のボーカル曲はおとなしめでやや、特徴に欠ける。
普通。

■CG
総枚数117枚。
SD原画などを除くと91枚。
枚数・質と共に問題点はない。

原画:やまかぜ嵐、彩季なお、イチリ(SD)

■難度
共通が4時間弱で個別が1時間〜3時間。
総プレイ時間が18時間くらい

攻略は容易

■総評
全体的なソフトの出来は底上げされているが……ってところ。
澄佳・梓・美鶴は加点方式なら、佳作レベル。
ミカ・ルキアは微妙。
佐奈は落第。

上位3人まではご都合主義も勿論、あるが昨今の看板だけ設定が目立つ中で上手く、生かされていてある程度に上手くまとまっている佳作。

正直、初期の呉作品を除いて、月石作品にマンネリと怠惰感を感じて離れていた筆者にとっては見直す切っ掛けになれた作品だといえる。

★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
言いたかったけど言えなかった佐奈に関するネタバレのお時間がやってまいりました。

佐奈で一番酷いのが近親相姦を一貫して【悪】だという刷り込みが全キャラに為されていることである。
その空気をシナリオ通して充満させながら、それを大っぴらにしないこともまた【二重悪】だというのである。

更にそういう、葛藤を抱えながら、でも好きだからセクロスだけはする。
でも、佐奈の気持ちはフラフラでセクロス中に膜はあげないだの口にするわけである。

実際、雰囲気が雰囲気なのでここまで三次元的ではないが中途半端に現実寄りにしているので非常に萎える。
おまけにこの作品で最も主人公とヒロインが何も成長してないという糞シナリオという他ない。

呉作品で最も最低でなかろうかという、妹シナリオはやめて欲しい。
佐奈のキャラは可愛いだけに特に。

話は変わって、逆に梓シナリオは本当に惜しい。
梓が正ヒロインの長さで出来を維持してたら、Aクラスで相当に飛躍してたに違いない。

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