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ToHeart AQUAPLUS (とぅはーと) あとりさん [2014年8月30日]

・シナリオ:☆☆☆☆
・H度:−
・GAME:☆☆☆☆
・音楽:☆☆☆☆
・CG:☆☆☆
・難度:☆☆☆☆

・総評:83点



■あらすじ
――春が、すぐそこまで来ていた。

パステルカラーのタイルが敷き詰められた歩道を歩く。
暖かい日溜まりのなか、道端にはいつものように鳩たちが群がっていた。
見慣れた景色、いつもの朝。
ただ、ゆるやかに吹く風に、少しずつ春の訪れを感じさせるものがあった。

「また、少し暖かくなったね」オレの顔を覗き込んで、あかりが言った。
前髪がちらちらと風に揺れていた。
「もう春だもんね」
「そーだな」
無感動なオレの反応に、何がおかしいのか、あかりはくすっと笑った。


■シナリオ
やはりギャルゲーマーとしては絶対プレイしておきたい、今のギャルゲーの元となった作品。
古き良き学園もの、この作品から色々と受け継がれていったのだと分かる優秀な作品だった。

前に『D.C.』をプレイした時は古臭さにウヘェとなったものだけど、こちらは古いけど全く気にならなかった。
これほど古い作品はプレイしたことがないから逆に新しかったかも。シナリオの面白さが違うこともあるけど。
面白かった。


●共通
マップ&選択肢式。
三月〜五月までと時間は長め。
どこまでが共通なのかイマイチ分からない。
普通にヒロイン個別に入ったと思ってたら、まだ他のヒロインのアイコンが出たりするし。
一日の進み方が単調で淡白なのは昔の作品〜って感じ。

しかし共通の時点であかりとイチャつきすぎじゃないですか浩之ちゃん?
あかりに申し訳なくて他ヒロインの個別に入りにくい。

●芹香
一周目なのでどこまでが共通なのか分からなかったと言うのもあるけれど、短さに驚いた。
てっきり五月から個別に分岐するのだと思ってたから、二十分くらいで終わったと思った。
実際は四月半ばくらいの個別イベントが増えてきた辺りからが個別扱いなのだろうけれど。

内容はまあまあ。
問題が全然解決せず終わる。

●葵
スポコンものは好きなので面白かった。
葵ちゃんノーマークだったけどすごいかわいい。

●綾香
芹香&葵ちゃんを攻略後に解放される。
綾香に戦いを挑んで勝ってラーメン食べて終わり。
恋人にならなかったのは残念だけど面白かったヨ。

●琴音
まあ良かったかな。
琴音ちゃんかわいいし、浩之ちゃんいい奴だなーと思う。

●智子
お話は普通だけど智子がすごく良かった。
容姿も性格も本当なら好きじゃないはずなのだけど、智子は好き。声が良すぎる。

●レミィ
レミィはかわいいけど、実は昔会ってたという設定があまり生かされてなかった気が……。

●志保
序盤のあかりとの仲を押してくる志保に、もしかして私の嫌いな展開(ヒロインAが自分も主人公を好きなのにヒロインBと主人公をくっつけようとする→主人公「俺が好きなのはヒロインAだ!」→ヒロインBが身を引く)かと思ったけど、別にそうでもなかった。
しかしいきなり時間が飛んで驚いた。

●あかり
すれ違うきっかけが何かよくわからないけれど、それでも。
兎に角あかりと浩之ちゃんの関係がよい。幼なじみ好きとして満足。

●理緒
まあ普通。特に言うこともなし。

●マルチ
よく、マルチシナリオで泣いた、と言うことを聞くので期待していたが正直思っていたほどでもなかった。
いいお話であることには違いないけれど。少しウルッときた。


■シナリオ(総評)
面白かった。どのお話も短いけど、人数が多いのでそれが良かった。
個人的にはあかり編がお気に入り。

『ToHeart』って2ばかり有名なイメージがあったし、実際この1も2に同梱されていてメーカーとしてはおまけ扱いだろうけど、普通に単品でも購入する価値はあった。
流石だなと。


■キャラクター
どのヒロインも魅力がある。人数が9人と多いのに一人も嫌いな子がいない。
お気に入りはあかりが一番、少し離れて葵ちゃん、綾香、智子。

主人公の浩之ちゃんも良かった。
アホで面白いだけでなく優しくて男らしい。


■H度
ほぼなし。


■GAME
作中でミニゲームが何個かある。なかなか凝った作りになっていて、単体でも褒められる出来。おまけとしてプレイ出来る。

コンフィグは弄れる項目がとても少なくてショボい。コンフィグも当時のままなのか? でも意外と不満もなくプレイ出来た。
スキップが遅いのが駄目くらい。

鑑賞モードはCGモードはあるのに音楽モードはなくて、ないのか……と思ったら全ヒロイン攻略後におまけとして解放。
他にもおまけゲームやクリア特典のイラスト、ヒロインの目覚ましボイスがあったりとそこら辺なかなか充実している。


■音楽
●BGM
BGMは44曲。なかなか良し。
「春風にのせて」「ときめきシンパシー」「オルゴール」がお気に入り。

●ボーカル曲
・OP
「Feeling Heart」 / 中司雅美

・ED
「それぞれの未来へ」 / 中司雅美

オープニングはフルアニメーションで、流石有名メーカーと思えるクオリティだけど、曲自体は印象は薄いかも。
ちなみに志保バージョンとカラオケバージョンも収録されてる。


■声優
川澄綾子 樋口智恵子 岩男潤子
久川綾 氷上恭子 笠原留美
飯塚雅弓 堀江由衣 大谷育江
保志総一朗 根谷美智子

一昔前の豪華声優、という印象。
川澄綾子氏や堀江由衣氏は今でも第一線で活躍する声優さんだけど、この時はまだ新人だったのか、演技が初々しく、少しレアな感じがした。

シナリオの所でも言ったけども智子役の久川綾氏の声がめっちゃ良い。
声質も良し、関西弁のイントネーションも自然だしで本当に良かった。

あと、この作品をプレイする前に一番心配していたのがボイスの音質だったのだけど、普通に綺麗だった。


■CG
絵師は水無月徹氏と河田優氏の二人。
誰が誰を描いたのかさっぱり分からない。見分けがつかない。
まあ絵柄がバラバラより全然いいけどね。絵柄は昔のアニメっぽい感じ。
あかりや芹香先輩などのタレ目がかわいらしい。

CGは全110枚。
ヒロイン10人と考えると少ないけれど、一人一人のストーリーが短いのでむしろ多い。差分は少ない。

立ち絵は細かい表情差分なんかは少ないけれど、ポーズの動きは大きかったりする。
画面いっぱいに文字が出るタイプの作品なので、あまり立ち絵の演出は必要ないし。

ヒロインたちの私服が少しダサいのは気になる。


■難度
マップ選択と選択肢と両方がある。
選択肢はめちゃめちゃ多いし、フラグ管理もヒロインによっては大分シビア。
葵ちゃんとかは簡単だけども、あかりは初見で分かる人いるのか? レベル。
素直に攻略サイトを見よう。私がプレイしたのは『ToHeart2 Portable』に同梱されてるPSP版だけど、PS版の攻略サイトで問題なく進めた。
元々PS版のベタ移植だし、PSP版の攻略サイトなんてないしね。

攻略縛りは理緒があかりの後、綾香が葵と芹香先輩の後に解放。
芹香→葵→綾香と攻略するといいかと。あとは自由に。


■総評
古い作品だし、元祖とは言え、今は未プレイの人も多いと思う。
絵が古くて受け付けないという人もいるだろうけど、やっておく価値は絶対にある。
まあ、2のおまけで出した後、単品でも発売される辺り、やはり根強い人気があるんだろうな。
面白かった。値段も安いし、色々なハードで出ていて手に入れやすいので、オススメ。

★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
前は少し好きレベルだったのに、最近明らかに幼なじみ属性のヒロインを贔屓するようになってたところ、
あかりのような理想の幼なじみヒロインに会ったことで、完全に幼なじみスキーになってしまったわ……。

あっでもおっとり幼なじみに限った話ね。
暴力系ツンデレ幼なじみは滅べばいいよ。

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