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てとてトライオン! TROPICAL PULLTOP / BOOST ON (てとてとらいおん とろぴかる) あとりさん [2013年5月20日]

・シナリオ:☆☆☆
・H度:☆☆
・GAME:☆
・音楽:☆☆☆☆
・CG:☆☆☆
・難度:☆

・総評:72点



■あらすじ
日本の南の端の方。
海沿いの町にあるちょっとおかしな学校、『私立・獅子ヶ崎学園』。

曰く、「最先端の技術がつぎ込まれた近未来型全寮制学園」
曰く、「リゾート系テーマパーク予定地を転用した、最高の住環境」
曰く、「自律型作業ロボによる清潔で快適な生活サポート」
曰く、「非接触式生体認証システムによる、最先端のセキュリティを完備」

なーんてふれこみも蓋を開ければどこへやら。
巨大な台風がもたらしたシステムダウンにより、施設の大半は機能停止。
なんとか機能を回復した後も、システムトラブルの頻発で、楽園はあっという間にサバイバル。

時には、電気が止まってろうそく生活。
時には、みんなで井戸から水くみ。
台風対策で施設全体を地下に待避!
……なんてことをしようものなら、今度は地上に出てこない!?

施設の運営だって学生頼り。
購買、警備にウェイトレス。
みんなでやらなきゃ始まらない。
だけど、こんな場所でも住めば楽園。騒がし楽しい学園生活。

そんな学園にやってきた転校生。
鷲塚慎一郎が入ることになったのは「学園復旧委員会。その名も、獅子ヶ崎トライオン!」

すぐに機嫌を損ねるシステムを直しに、今日は東へ明日は西へ、手と手をあわせてトラブル修復。
学園での最低限の生活を守るべく、トライオンは今日も行く!


■シナリオ
あらすじだけでもう、分かるように学園コメディだけれど普通の学園とは違う舞台設定。
独自のシステムや専門用語が結構、多いけれど難しくはなく、寧ろ簡単で馴染みやすい。

最初からアクセル全開でOPに入る前のプロローグでもう、作品のノリとテンションが掴めると思う。
その時点でワクワクを抱いていたらもう、最後まで楽しめること確定と言う実に分かりやすい作品。
そして、私はどうかと言うと……


●共通
共通はあっちこっちで起きるトラブルにひたすら走り回るドタバタが全て。
時間にして6時間程とそこそこの長さだけれど、退屈はしなかったので良い……さほど印象に残ってはいないけども

●鈴姫
初対面かと思っていたら、実は昔一緒に遊んでいた友達でしたと言うよくあるお話。
展開も普通なのだけれど、個人的に鈴姫は好きじゃないタイプのヒロインであることと
お邪魔虫がお邪魔すぎたりすれ違いが多くてイチャラブ描写が薄めだったので微妙……

●一乃
生徒会長だけあって、学園の設定を掘り下げたお話。
この話が一番面白く、萌えたので結構、お気に入り。
皆の前では完璧だけれど気を許した相手の前ではぐうたらでダメダメと言うギャップはやはり、良い
最後のCGの笑顔が素敵です会長!

●手鞠
学園のシステムの深層部分に触れることが山場となる、割と重要なお話。
てまーの破壊力と、話の展開もなかなかだったので普通に楽しめたルート。
手鞠かわいいよ手鞠。

●夏海
メインヒロインなので恐らく、重要なお話なのだろうと思っていたら別にそんなことはなかったぜ!
凄くあっさりしたお話で正直、あまり覚えていないけれど何か大切なことが言われていたような気がする……多分

●獅子ヶ崎の声
グランドエピローグ……と言うか、夏海編の補足?
突然ファンタジーになって驚いた。EDが良かった。
……それくらい。

●終わらない、夏休み
獅子ヶ崎の声を終えたら解放される。尺は短めで完全におまけ。
共通のような感じでお話はそこそこだけれどこのおまけでだけ、
CGの質が明らかに低いのはどういうことなの?


■シナリオ(総評)
プロローグからおまけ話まで同じノリで展開させていることとか、設定の破綻等もないし、よく纏まっているとは思う。
やっていて退屈もしなかったけれど普通と言うか、あくまで凡作。
決して悪くはないのだけれど残るものはないかな、と言う空気感。


■キャラクター
攻略ヒロインは4人で、待遇に差はなく皆上手い具合に掘り下げられている。
好きなのは会長と手鞠、あと芹菜さん。
芹菜さんは何故攻略出来ないのか……。

主人公は真面目で素直、礼儀もあって見ていて気持ちのいい良主人公である。実によろしい。


■Η度
CEROはDだけれど別に……強いて言うなら、ラッキースケベがあったくらいか?
ラッキースケベはあまり好きではないので、特に加点要素にもならないけれども


■GAME
システム環境がとても良い。
クイックセーブとロードに、未読部分の情報表示、ボイスハイライトにウインドウの位置と透明度の調整、フォントの装飾を変えられたり等と項目が多い。
唯一、スクリーンショットがないのが残念だけれど既読率や、秒単位までプレイ時間が表示されるのは嬉しい。
『Ever17』と『ひまわり』と同じゲームエンジンなのかな?


■音楽

●BGM
曲数は普通の曲が29曲、ボーカル曲のメロディーバージョンが2曲で全31曲。
終わってから見てみると爽やかな曲よりもしっとりした曲の方が多かったり。
聴き心地の良い曲が多く質はそこそこ。

●ボーカル曲
・OP
「Try On!」/ NANA

・ED
「てとて、ぎゅっと」 / NANA

・グランドエピローグED
「Try On! 〜合唱Ver〜」/ 宮坂結衣、羽沢月乃、沢井春香、秋月まい

OPは疾走感のある爽やかな曲。
EDは緩やかでしっとりとた曲。
両者共に良曲で、バッチリ作品と合っていて素晴らしい。
グランドエピローグ曲は何気に、フルで収録されている。



■声優
宮坂結衣 羽沢月乃 沢井春香
秋月まい 初島さとみ 青山ゆかり
松田理沙 茶谷やすら 芝原のぞみ
町田あみ 中本伸輔 如月葵

結構、初めて当たる声優さんも多かったのだけれど演技力、声質と共に皆バッチリで良い感じ。
りっさーの芹菜さんが特に良い。


■CG
絵師はたけやまさみ氏。
もちもちとしたライトな絵柄が素晴らしい。
立ち絵の差分はそこそこで、演出も普通クラスだけれど一つ一つの絵が生き生きしていて見ていて飽きない。
SDはいくたたかのん氏で、こちらもコロコロした可愛らしい絵。

枚数は全95枚、内SD画が30枚。
数字だけ見るとそう多くはないけれど、差分が多い。
差分を含めると確実に倍以上の数字になるであろう。

基本的に崩れはないけれど、何枚か明らかにおかしい絵が……
違う人が描いたのかと本気で疑いたくなる程稚拙な絵が数枚、
塗り師が違うのか明らかに他の絵と色味の違う絵が一枚あって違和感バリバリ。

他の絵は普通に綺麗なので残念。


■難度
選択肢が2つしかないので皆無。
攻略縛りもないけれど、夏海は最後にした方がいいかな?


■総評
普通……人によって多少の差はあろうとも、誰がやってもそれなりに楽しめるであろう万人受けする作品。
目立った欠点もなくよく纏まっている一作。

共通が6時間に個別が各ヒロイン5時間とボリュームはなかなかで、
中古2000円と考えると偉いお得なのでそこそこ満足出来たので良し。

★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
芹菜さんもしくは会長×芹菜さんルートがあれば+20点くらいしてたんだけどね

ああ、芹菜さん……
なんで攻略出来へんのや……

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