・シナリオ:☆☆☆☆☆・H度:☆☆・GAME:☆☆☆・音楽:☆☆☆・CG:☆・難度:☆☆・総評:100点 同人ゲームの傑作、月日は流れど変わらない人気。何よりも愛される「ゲームを作りたい奴らが作った」このゲームの一番の魅力は、手に汗握る白熱の戦闘シーン……ではなく、むしろ、日常の何気ない主人公達の会話だとか、キャラクターの仕草にこそ魅力があると私は思う。 例えば、翡翠と琥珀と言うキャラクターを20文字以内で説明せよといった題を自分に課してみるとして、ではどうなるか。 翡翠:「双子姉妹の妹。掃除が得意で料理が苦手」 琥珀:「双子姉妹の姉。料理が得意で掃除が苦手」 いや、もっとこう、「感応者が〜」とかあるはずなのだ。しかし、ありあまる設定を装備した彼女らの面影というのは、総じて外的なものでなく内的、つまり性格や行動内容といった「動きのある部分」が最より目につくのだ。これは……凄いことだと思う。 物語のキャラクターというのは、編み出されたストーリーを動かすための歯車でしかない。それは、無ければ動かないが、そろった瞬間回り出すといったごく自然の流れであるが、月姫という作品はそういった機械的な領域を逸脱し、まるで宝石のように輝いている。つまるところ、それを何より評価しなくてはならない。