・シナリオ:☆☆☆・H度:−・GAME:☆☆☆・音楽:☆☆☆・CG:☆☆☆・難度:☆☆☆☆・総評:75点■あらすじ魔法の存在が一般的に認知されている世界。科学の進化も目覚ましく、より個人の能力・個性が重要視される時代。東京湾上空にはオーバーテクノロジーによって浮遊する、日本が誇るエリート育成機関・天陵国際学園があった。謎に包まれたその学園では、学生の中でも特に優秀な者が、その特性に応じて3つの塔に振り分けられる。明晰な頭脳を誇るインテリ揃いの『知の塔』、運動や武道に秀でた者たちの『力の塔』、そして歌手や超能力者といった特殊技能保持者が集う『運命の塔』。学園は学生達による自治が認められており、年に一度、学生主導の一大娯楽イベント「星待ち祭」が行われる。それぞれの塔の威信がかかったこのイベントでは、各塔を代表する女性「織姫」とそのサポート役の2人の「星の巫女」たちが、選ばれた1人の男子学生「彦星」のハートを射止めるため、「星取りの儀」で競い合うことになっていた。普通科の男子学生・月城翔は、星待ち祭の近づいたある日、ひょんなことから彦星の証である指輪をはめてしまい、強制的に彦星にされてしまう。“彦星なんかになりたくない!”とはじめはひたすら嫌がっていた翔。だが、「知の織姫」となった幼なじみの星庭宙や、各塔の織姫や星の巫女たちと進行を深めるうち、次第に考えを変えていく。そんな中、記憶喪失らしき少女が翔の前に現れて、さらには学園の秘密までが明らかになっていき……?波乱の香りを漂わせつつ、いよいよ星待ち祭が始まるのだった。■シナリオこの作品の特徴を聞かれたら、真っ先に出て来るのはやはり攻略可能ヒロインが10人と言うことで、その時点でもう、ヒロインの待遇とか個別の出来に差があるのは予測出来ると思うけれどその通り。シナリオ的には各塔の【織姫】が物語の核心に触れられていて少しシリアス寄り。【星の巫女】は星待ち祭等より個人の設定にスポットが当てられていて基本薄味。気に入った子が攻略不可能だったらどうしよう……と言う心配はないけれど、星の巫女たちの個別は本当に無くても支障のない話で、各織姫の話は伏線が出て来るが回収はされないので消化不良、加えてグランドルートにはロックがかかっているので、人数の多さが重くなってくる可能性大である。●共通共通は星取りの儀をメインにドタバタやるコメディ。各塔を順番に回り順番にヒロインを掘り下げていく。長さは5時間程とそこそこだけれど、ギャグが結構、面白く退屈はしなかったので○。以下、個別の感想を攻略順に。●亜紀薄味でキャラクター勝負なお話だけれど、亜紀は正直嫌いなのでどうとも……ただ、最後の銀河と美紀の対決(?)は良い。●美紀この話は個人的にかなり微妙。思わせ振りな態度を取りつつはぐらかして、私と付き合いたいなら妹の相手もしてって……亜紀が邪魔だし、美紀も好きじゃないので。●瑠々仄めかされていた銀河の企みが分かったり、明らかな伏線が出て来たけれど、それも印象に残らない程瑠々さんがかわいいと言うことがわかるお話である。織姫三人の中でも一番スッキリ終わったし、瑠々さんがマジ天使なのでぐっ。●カレン確か魔法の力で敵を倒すお話。多分……あまり覚えていない。前作『MagusTale』のお話が少し出て来るので、プレイしていた人にとってそこは面白いかも。●さくらさくらの動物好きにスポットが当てられたお話。内容は普通なのだけれどただ、織姫の座を譲って貰っておいて、自分の夢のためにやっぱりお返ししますって、ちょっと我が儘なような気も……●葵織姫なので核心に触れるお話。ボスが登場する。ボスが初めてその姿を見せて絡んで来るものの、決着がつかないので消化不良……葵はかわいいけれど●ステラステレオタイプのメイドロボ。イチャラブ描写は良いけれど、この話だけ問題を解決してのエンディングではないのが残念。でも、最後の手紙は良かった。●凛一応、葵と三角関係なお話。三角関係は嫌いなのだけど、葵も凛もさっぱりした性格で描写もあっさりめなので良かったかな?●宙織姫なので核心に触れるお話。そうとは分かっていつつも展開が唐突な感が否めず、また、瑠々編と葵編で出て来た伏線を少し回収するも、新たな伏線も出て来ることもあり消化不良。●くぅ織姫の三人を攻略すると解放される完結編。グランドルートだけあって一番内容が濃い。色々と疑問は残るけれど、出来はなかなか。ただ、これだけのヒロインを揃えつつ、最後をこれまで殆ど出番がなく、一番感情移入しにくいヒロインに任せるのは……と思わなくもない。いや、くぅかわいいけどね?■シナリオ(総評)終わりよければ全てよしな私としては、ラストのくぅ編は結構良かったので、総じて薄味ではあるけれどそこそこと結論付けられる。織姫のお話は消化不良だけれどイチャラブ描写はそこそこなことと星の巫女のお話は後の方に持って来た力の塔の二人のお話が結構良かったのが大きい。何だかんだと言っても退屈は感じなかったし、値段が安かったので、まあ、多少はね?■キャラクター攻略可能ヒロインは10人で、属性もツンデレ・腹黒・ロリ・メイドロボ・お嬢様・天然・不思議っ子と幅広いので、誰か一人はお気に入りが見付かると思う。個人的には、織姫だと宙と瑠々さん、星の巫女だと凛とステラがお気に入り。銀河と琴音さんにポコや千影さん等、サブキャラも濃いし良い味を出してる。ただ、10人もいれば合わないヒロインも当然いる訳で、常葉姉妹だけはどうも……あと、主人公も微妙。■Η度CEROはCだけれど特には。強いて言うなら、キス音がちゅぱちゅぱしているくらい?■GAME【77LIBRARY】と言う用語辞典があって、作中に出て来る専門用語の解説が77個あって楽しい。クイックセーブとロードは勿論、オートセーブもありでスロットも多く、キャラ別ボイス調整、ボイスハイライト機能にシステムボイスもあって、スクリーンショットにテキストウインドウの透明度調整に文字フォント切り替えにチャプタージャンプ等一通り以上に揃っていて快適。何より一番感動したのが、壁紙用の画像が入っていたこと。これはとても嬉しい。ノーマルとワイドに画面を切り替えられて、ノーマルにした際に画面端の模様を変えられるのも○。あとはクロックモードと言うタイマー機能がキャラ別にあって、指定の時間が来てタイマーを解除する際に指示通りにボタンを押すミニゲームがあるのも面白い。■音楽●BGM曲数は30曲で。ヒロイン全員に専用テーマがあるのは良いけれど特に印象に残った曲はなし。●ボーカル曲・OP「STAR LEGEND」 / 榊原ゆい・ED1「ふたりで…」 / 佐藤ひろ美・ED2(くぅ編ED)「星の奇跡」 / μOPは明るい系、EDはしっとり系。一番のお気に入りはやっぱりOP。聴く機会が多いこともあり耳に残りやすい。■声優夏野こおり 遠野そよぎ 日向裕羅金松由花 青山ゆかり 佐本二厘井村屋ほのか 海原エレナ有栖川みや美 榊原ゆい北都南 須本綾奈 みすみ 楠鈴音月黒斗夜 黒木大 金田まひる みる豪華声優陣。今回の個人的MVPは井村屋ほのか氏。聞く度とても癒されたので……あとは大好きなこおちゃんがメインヒロインなのでそれで満足かな?■CG絵師はてんまそ氏と水鏡まみず氏、SD原画がこもわた遥華氏。メインのお二人も良いのだけれど、SD画が愛らしすぎる……こもわた画最高や!枚数は全部で168枚でその内51枚がSD画。差分もそこそこで枚数には文句なし。一部テキストと噛み合ってなかったりしたのは気になるけれど、それ以上にまみず氏はイラストの質が安定していない。綺麗な絵と歪んでいる絵があり残念。てんまそ氏の方は特に崩れ等はなし。立ち絵は差分も多く崩れもなく演出も良い。ただ変顔が……ヒロイン達は兎も角として、銀河の変顔は超、気持ち悪い。変顔なので当然か?■難度オーソドックスな選択肢式。数が多く分岐が複雑なので、攻略サイトを見た方が早いかも。攻略縛りはくぅが織姫三人の後。誰からしてもいいと思うけれど、ネタバレ度を考えると【運命の塔】→【力の塔】→【知の塔】が良いかな?もしくは【星の巫女】→【織姫】でもいい。宙とくぅを繋げてやると分かりやすいかと。■総評あくまでキャラゲーの域を出ないとは思うけれどシナリオも決して悪くない。シナリオに過剰な期待をしなければ、そこそこ楽しめるのではないかと思う。廉価版が出ているおかげで新品でも3000円とお手軽なので、やるものがないならオススメ。個人的には割と好き……かも★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)星の巫女のお話では織姫だの彦星だのの設定をスルーしていることも多いけれど想い合う二人にしか反応しないはずなら、星の巫女と付き合うルートでは学園の運営ヤバイんじゃね?ステラ編とか特に、全部投げっぱだし