・シナリオ:☆☆☆・H度:−・GAME:☆☆☆・音楽:☆☆☆・CG:☆☆☆・難度:☆☆☆・総評:78点それは――あったかもしれない。ラボメンたちとの物語。■あらすじ主人公・岡部倫太郎は、秋葉原で弱小なヘンテコ発明サークルを主宰する大学生。その最新作は、偶然にも過去へのメール送信機能を備えていた。しかも、度重なる実験で過去を改変してしまったらしく、ラボの電気代がかさみ、ラボが資金難という状態に!?果たして、ラボメン達の行く末は?この危機を脱することは出来るのか?■シナリオ『Steins;Gate』の続編……と言うか、FD的位置付けの作品。パラレルなので、本編をプレイしていないとちんぷんかんぷん……とは言わないけれど楽しめないと思うので注意。お話としてはラボメンガールズをメインとしたコメディ調。科学的要素やSF要素は控え目で、本編の魅力であるどんでん返しや伏線回収も無い。ラボメンガールズとの恋愛に関してもこれまた微妙で、本編並のクオリティーを期待していると絶対、肩透かし。逆に言うと、そこに期待をせずにプレイしたらある程度、楽しめるようにはなっている。……と、言いたいけれど。▼共通共通は2時間半と短め。舞台説明とキャラ紹介。本編のお浚いと言うか、忘れている人の為の設定確認のような感じ。雰囲気は本編のままで、普通に楽しいけれどもう少し長くてもよかったかな以下、個別を攻略順に。▼るか男の娘のルカ子。本編のEDは女の子の状態のルカ子とのものだった……けれど今作は、男のままのルカ子と付き合うと言う異色のルート。この時点で駄目な人は多いと思うけれどそれ以上に、話の出来が酷すぎる。突然訳の分からないファンタジーが始まったと思ったら、未来ガジェットによる幻覚オチとか言うお粗末さ。ルカ子の性格の魅力も男の娘属性も全く生かせていない残念な話。ルカ子が男だからこそ、恋愛に焦点をあてるべきだったのでは?▼萌郁唯一の昇格ヒロインだけあり、そこそこの出来になっている。萌郁の不器用さとかブラウンの保護者っぷりとか本編プレイ済みだとなかなか来るものがあるし、純粋に面白い。▼鈴羽悪くはないけれど……微妙。全編で一番恋愛要素は薄い。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のオマージュらしいけれど、私は観たことがないしこの話ではダルが、非常に鬱陶しいので正直褒める気になれない。▼紅莉栖普通で無難な出来。悪くはない。本編のトゥルー等、前回優遇されていたので今回は抑え目だったと言う印象。ただ……紅莉栖の魅力を存分に、描き切れていないような気がしてならない。本編の紅莉栖は一言でツンデレと表してしまうには勿体無い、魅力的なキャラだったのに今作では、普通のツンデレクラスになってしまっているのが残念。▼フェイリス「ラボメン全員で一つのことに取り組む」と言う正に、ありそうでなかった話でなかなかの出来。フェイリスと言うヒロインの魅力を描きつつ、他のヒロインもきちんと掘り下げており、非常によろしい。▼まゆり本編では優遇されているように思えて、実は一番不遇だったとも言える、まゆり。けれど今作では完全に優遇されており、だーりんのメインヒロインは絶対に彼女である。そう言える程まゆりの話だけ、露骨に出来が良く間違いなく頭一つ抜けている。幼馴染み属性全開のお話で王道なのだけれどやはり、本編では割を食ってしまったまゆりが報われる感動は大きい。■シナリオ評価まとめ星で表すのなら☆3。るか編だけなら40点、まゆり編だけなら90点とヒロインごとに、話の出来にかなりのムラがあって結果的に作品全体の評価が下がってしまう。シナリオを手放しで褒められるのはまゆり編と萌郁編とフェイリス編だけで、他はキャラ補正と作品補正を持ってしてまあイケる……か?■キャラクターキャラは本編と同じで、新キャラやリストラは無い。ラボメンガールズ的には話の出来もあってまゆりと、フェイリスと萌郁が良い感じ。あと鈴羽。本編と書いている人が違うのだけれど、キャラに崩れ等は特に無し。若干、紅莉栖の言葉遣いが悪くなっているような気はするけれど……■H度皆無。本編からしてって感じなので、特に不満もなし■GAME分岐は本編と同じくフォーントリガーシステムを採用。そしてシステム面だけれど、コンフィグは優れている。方向キーできちんと文字送りが出来るのは、これがあるのとないのとでは大違いなので非常に、嬉しい。ただ、インストール機能が無い。これが唯一にして、最大の欠点。本編ではそれでも、特に気にならなかったけれど今回は、やたらとシャーシャー言うのが気にかかる。ヘッドフォンをしていても五月蝿く感じるレベルで立ち絵が切り替わる時に、やたらと時間がかかってテンポを悪くしてしまっている。■音楽▼BGM基本的には本編の使い回しだけれど新しい曲も多数。曲数は全34曲とそこそこで質もそこそこ。▼ボーカル曲・OP「禁断無敵のだーりん」 / アフィリア・サーガ・イースト・ED1「永遠のベクトル」 / いとうかなこ・ED2「EUPHORIA 〜償いのレクイエム〜」 / ファンタズム(FES CV.榊原ゆい)OPは電波とまではいかずとも萌え系の、にゃんにゃんアイドルソングでなかなかの中毒性を誇る。EDは中二系のしっとりバラード曲。他、本編の主題歌である「スカイクラッドの観測者」やXbox 360版の主題歌の「La*La*Laラボリューション」も収録。■声優今井麻美 花澤香菜 小林ゆう田村ゆかり 桃井はるこ 後藤紗緒里宮野真守 関智一 星野充昭 白石稔山本彩乃 てらそままさき本編と同じく豪華声優陣。なのでまあ、特筆点は無し■CG絵師は本編と同様huke氏。枚数は差分抜きで全117枚となっているけれど、その内20枚程がクリア後の特典。それと本編からの使い回しもあるのでそれを抜いて数えると90枚ちょい程度となる。正直、今作では差分をケチっているような印象を受ける。使い回しもそうだけれど、立ち絵に演出をプラスしたものをカウントしたり。シナリオ重視の本編はともかく、キャラ重視の今作ではここは頑張ってほしかった……許容範囲ではあるけれど、少し、残念。立ち絵も本編の使い回しではあるけれど、衣装のバリエーションが増えているのでこちらは良しとする(但し全員ではない)■難度フォーントリガーシステムには本編で慣れていると思うけれどまあ、個別への分岐は大体タイミングが一緒で、個別以降は本当にメールを読むだけなので本編より簡単。まゆり編のみ若干、特殊なので面倒臭い。特典CGを見るには全部のメールを読まねばならず、回収が非常に面倒臭い。本当に面倒臭かった……■総評何だかんだ言ってもシュタゲファンなら、るか編以外の大体の話は楽しめると思う。特にまゆり好きには是非、勧めたい。でも、わざわざロードの長いPSP版を買う必要とか、全く無い。Xbox360版やPS3版があるし、携帯機に拘るなら春にVita版も出る。画質・システム共にVita版の方が上だろうと思うので絶対、そちらを買った方が良い。★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)シナリオ欄ではるか編を酷評しているけれど実際、一番がっかりしたのは鈴羽編。まゆり編クラスとは言わずともせめて、紅莉栖編クラスのラブイベントやいちゃいちゃが見たかった……恋愛方面ではるか編より劣ってる。鈴羽の出生とか関係上、恋人同士になるのは難しいのは分かるけれど……それでも期待しちゃうんだから仕方ないよね……だってファンなんだもの