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Steins;Gate 5pb.×nitro+ / 角川書店 (しゅたいんず;げーと) あとりさん [2012年9月16日]

・シナリオ:☆☆☆☆
・H度:−
・GAME:☆☆☆☆
・音楽:☆☆☆
・CG:☆☆☆
・難度:☆☆☆

・総評:86点



■初めに
このレビューを書くに当たって、初めに言わなければならないこと。それは、私がこの作品は「アニメを視聴済みで、プレイ前から既に内容を知っている」と言うことです。
作品の評価に影響があることをご了承下さい。


■あらすじ
神をも冒涜する12番目の理論――
それは、俺たちが手にした偶然の産物。

主人公・岡部倫太郎は、秋葉原で弱小なヘンテコ発明サークルを主宰する大学生。
その最新作は、偶然にも過去へのメール送信昨日を備えていた。

世界規模の陰謀が渦を巻き、混沌とした未来が幕を開ける!


■シナリオ
秋葉原を舞台にしたSF作品。ループ物である言うことは、粗筋の時点で大体予想が付くと思います。

各ヒロインごとにエンディングはあるけれどルートは無く、シナリオは実質一本道。一本道だとボリュームが多くならない為、嬉しいのだけど、この作品に限ってはヒロインが皆魅力的なので、個別ルートが無いのが残念でなりません。

上にあるように私はアニメを視聴済みで内容を知っている――と言っても、アニメの放送時期が丁度一年前程なので、正直「面白かったなあ」と言うぼんやりとした記憶しか残っていなかったのですが――内容を知っていても充分楽しめました。

然しアニメだと特に気にならなかった部分がゲームだと少し気になったり、と言うことはありましたが。


□共通パート
一本道なので殆ど共通だけどね。取り敢えず書く。Chapter5までが共通と言うことにしての感想。

舞台がオタクの聖地である秋葉原と言うことで、アニメや2ちゃんねる・VIPネタが非常に多い。中の人ネタや『Chaos;HEAD』ネタも存在。
元ネタを知らない人の為にTIPS(用語解説)が用意されているので一応大丈夫だとは思いますが、分からないと多分、面白さが半減しそう。
面白いけれど少々くどいと思えて来るかも。個人的には「助手がねらーか否か」の下りは若干くどいと感じた。日常会話のネットスラング等も話がシリアスになる後半だと少し浮いている感じがして「言いたいだけだろ?」とか思ったり。

そしてDメールやタイムリープマシンの研究の際の科学理論。正直、難しい。ちゃんと用語解説はあるけれど、元より科学が苦手な私には理論とかは理解し難い。
……と言う私のような人の為に「エロゲに例えて」「三行で」「RPGに例えたら――」等と分かりやすい説明があったり、ライターさんの配慮が感じられます。
とは言え、説明をしっかり聞いていても、一つ一つをちゃんと理解しながら進めるのには時間が掛かるし、正直面倒臭いので、サラッと読み流していました。


□ヒロイン別エンド
Chapter06からChapter10までは、各ヒロインにスポットが当てられ進んでいきます。次の章に進まないことでその章のヒロインのエンディングが見られる仕様。真のエンディングではない為か、各ヒロインのエンディングはバッドエンドっぽい。

紅莉栖    ☆2
完全バッドエンドな件について。

まゆり    ☆3
まゆりは好きなのですが、正直、素直に喜べない……。

鈴羽     ☆4
上手く行くようには思えないけれど、一応、希望があるように思える……かも。

フェイリス  ☆4
多分、一番爽やかだと思う。結構、これはこれで……と言う気がしなくもない。

ルカ子    ☆1
正直一番微妙だったエンド。最後のCGにびっくり……。


□トゥルー
名前通り真の結末を見られるエンド。一番最後に見ることを推奨。ロックが掛かってないみたいなので注意。

取り敢えず言いたいことは、オカリン、よく頑張った! 長かった〜。展開を知っていたけれど助手を助ける最後のミッションの時はかなり緊張しました。
中盤以降の鬱展開からよくここまで爽やかに纏められたものだと感心。最後は皆報われてハッピーエンドで安心。ライターさん凄い。


□シナリオ評価まとめ
総評は☆4と言うことで。話はとても面白かったけれど、既に内容を知っていた為驚きとかは無く、ネタバレを見ない方が絶対に楽しめるであろうタイプの作品なので必然的に少し点はマイナス。
逆に言うと、アニメを見ていてもこれだけ楽しめるのは凄いですね。


■H度
コンシューマーオリジナルの作品なので無し。でも、全裸のCGがある……当然、大事なところは隠れてますよ?


■GAME

□フォーントリガー
この作品独自のシステム。選択肢を選んで分岐するのではなく、携帯に届くメールの返信内容で分岐する。要は携帯電話。
斬新で面白いですね。本当の携帯電話のように着信音や待ち受け画面を変えることが出来たりしてグッド。

□システム面
充実しています。コンフィグその物の種類が選べるのも○。ただ、インストール機能が無く、スキップが遅い。後は最近、増えて来た、スクリーンショット機能があるのは結構嬉しい。


■音楽

□BGM
特に印象に残っている曲は無いけれど、基本的にどれもシーンにマッチしていて、いいと思う。

□ボーカル曲
オープニング曲はいとうかなこ。一周目は「スカイクラッドの観測者」が、二週目は「宇宙エンジニア」が流れたのだけど、どちらが正規のオープニングなのかな?
曲より映像がいいと言う印象が強い。

榊原ゆいが歌うエンディングの「プレギエーラの月夜に」は結構、お気に入り。


■声優

宮野真守(岡部倫太郎)
今井麻美(牧瀬紅莉栖)
花澤香菜(椎名まゆり)
田村ゆかり(阿万音鈴羽)
桃井はるこ(フェイリス)
小林ゆう(漆原るか)
関智一(橋田至)
後藤沙緒里(桐生萌郁)


軽く豪華メンツ。
花澤香菜のおっとりした声が最高〜。
桃井はるこや田村ゆかりが居て満足。

然し今回の一番は絶対、オカリン役の宮野真守氏。
オカリンの演技が最高。絶対、ボイスオフにはせずにプレイしてほしい。

小林ゆう氏のルカ子は少し微妙だったかも。
あと、綯の声優さんは新人なのか? 少し、演技力が気になるところ……。


■キャラクター

□主人公

岡部倫太郎  ☆5
愛称はオカリンで真名は鳳凰院凶真の厨二病。
中盤からの頑張りが凄い。こんなにかっこいい厨二病が他に居るのか?
けど、合わない人は合わないだろうなと思う。


□ヒロイン

牧瀬紅莉栖  ☆3
ニックネームが多いけれど個人的に、助手と言う呼び方が一番、しっくり来る。そして天才HENTAI少女。
頼りになるところは好きだけれどツンデレとしてはあざとい、かなりあざとい。

椎名まゆり  ☆5
まゆしぃ☆ オカリンの人質の天然太眉少女。
まゆりかわいいよまゆり。おっとり娘大好き。

阿万音鈴羽  ☆5
バイト戦士。個人的ナンバーワンヒロイン。
「失敗の手紙」の中の人の演技力には脱帽。

フェイリス  ☆5
( ゚∀゚)o彡゚フェイリス!にゃんにゃん!
ピンク+髪ツインテール+猫耳+メイド+ニャンニャン口調+ロリ巨乳+お嬢様と言う属性過多な猫娘。そしてオカリンと匹敵する厨二病。
だがそこがいい! フェイリスかわいいよフェイリス。

漆原るか   ☆2
ルカ子。巫女……だが男だ。
個人的には少し、微妙かも。
と言うか、コスプレを渋る理由がよく分からない。ミニスカは駄目なのに巫女服はええのん?


□その他

橋田至    ☆4
ダル。スーパーハカー。オカリンの右腕。誰彼構わずセクハラするのはどうだろう。

桐生萌郁   ☆2
閃光の指圧師。攻略ヒロインじゃなかったのね。

天王寺裕吾  ☆3
ミスターブラウン。タコ坊主。ロリコン。

天王寺綯   ☆2
シスターブラウン。あのイベントは必要だったのかなあ……。


□キャラクター評価まとめ
とにかく皆キャラが濃い。一人一人キャラが立っていて素晴らしい。お気に入りはまゆりと鈴羽とフェイリス。


■CG
絵は『ブラック★ロックシューター』で有名なhuke氏。作品にマッチしていて良し。だけど独特で人を選ぶと思う。
立ち絵は全て綺麗で雰囲気があるけれど、CGは何枚か崩れているような気がする。

枚数は全部で105枚。
一枚絵が多く差分が少ないのが淋しいけれど、欲しいシーンにはきちんとあるので問題無し。連続して三枚のCGが出てくるシーンも。


■難度
フォーントリガーでの分岐は少し、分かりにくいかもしれない。最初からうっかりトゥルーに入ってしまうことがあるかもしれないし、攻略サイト等を見ながらのプレイを推奨。紅莉栖とトゥルーは少し、入るのが難しいです。

推奨攻略順は鈴羽→フェイリス→ルカ子→まゆり→紅莉栖→トゥルー。推奨と言うか殆どの人が多分この順かと。
私の総プレイ時間は33時間半。ボイス無しだともっと速いと思いますが。


■総評
良作です。SFが好きなら買い。若干、感動の要素もある……と思う。いやはや、よく出来た話ですよ。


★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
ゲルまゆのCGにはびっくり……。と言うか、まゆりが死ぬシーンは、そんなにCGの枚数なくていいよ! と思った。

あとフェイリスの出番もっとあればよかったのになあ……

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