・シナリオ:☆☆☆・H度:☆☆☆・GAME:☆☆・音楽:☆☆☆☆☆・CG:☆☆☆・難度:☆☆☆・総評:80点「忘れもの……見つかりますように……」多方面へと展開し、一抹の成功を得た作品「ダ・カーポ」を制作した事でも有名なCircusのヒットタイトル。元々Circusは陵辱系AVGを主とするメーカーだった(ような気がする)が、この作品では純愛(多少、死・ミステリー)をテーマとしたシナリオ作りを目標にしたと思われる。そのシナリオであるが、4部構成で一章毎に主人公が入れ替わり、ヒロインたちの顔ぶれも多彩である。さらに、各章の時間軸は同時進行であり、ある章での主人公の決断は違う章のシナリオ展開と深く関わり合う。このようなシナリオ体系は世界観に引き込まる。斬新的な試みであろう。シナリオ自体は絵柄とは異なり、かなりシリアスな内容で進められる。個人的にはミステリアスな第3章が印象深い。逆に物語りの鍵を握る第4章はステレオタイプなテキスト作りだと感じた。CGは無論、七尾奈留氏。爽やかな描き味で、イラスト作りは秀逸。しかし個人的に趣味ではない。水夏において他の要素と別格なのが音楽である。「夏の終わりに…」「夏風」「夕涼み」などは自分としては他の追随を許さない。しかしそれ以上に聴く人間の感覚に訴えるBGMは「なつのはじまり」だと思う。この曲から、夏の始まりを連想するには、悲しすぎる旋律だろう。ついつい長くなってしまったが、シナリオの完成度がまだまだ未完であることや、個人的に原画の印象が薄いことから、評価は控えめになった。しつこいようだが、BGMはkeyを超える技術力を誇っていると感じた。