・シナリオ:☆☆☆・H度:☆☆☆☆・GAME:☆・音楽:☆☆☆・CG:☆☆☆☆☆・難度:☆☆・総評:75点■あらすじちょっと貧乏な苦学生である以外には至って、どこにでもいる普通の主人公の匠に持ちかけられたのは何とも、無茶な依頼だった。『影武者になって欲しいの』その詳細は幸か不幸か、自分と外見が瓜二つの名家の子息の影武者となり、超セレブな名門『私立六麓学院』に通って欲しい……というもの。穿った見方をするわけでもないが彼にとって、それはかなり怪しげな仕事であったが非常に個人的な已むに已まれぬ事情(金銭的なもの)によって、引き受けることに。当然、いざ始まった影武者生活が平穏無事に済むわけもなく、セレブのみ通ずる常識の数々に困惑する一方。果たして彼はこの学園の中で影武者の職務を全うすることができるのだろうか。■シナリオ至って単純明快でセレブ子女たちの通う学園が舞台の超王道。ただ、こういう使い古された王道というのは描き方の差が如実に具現化しやすい。肝心の内容は主人公が影武者として学園に通い、ヒロインと打ち解けていく共通と個別と共にそこそこ長いが、割とテンポが良いので冗長感も少ない。基本は頭空っぽにしてプレイ出来る、イチャラブ(萌え)特化作品と思って問題ない。良く言えば、ゆずソフトらしいユーザーフレンドリーというか丁寧に作られた王道ゲーである。それが故に長所らしい長所にも欠けるが。逆に今作で気になったのはシナリオの展開。ヒロインによって多少の差はあれどもヒロインとの恋仲発覚↓半強制的に隔離↓ヒロインの保護者と対決(直談判)↓彼は見所の(ryというお嬢様モノ定番の黄金パターンをこうもほぼ、全ヒロインで貫かれるとやっぱり、『またか』と言わざるを得ない。決して出来が悪いというわけじゃないが。シリアスは雰囲気を壊すようなものではなく、飾り程度に終わるし萌えゲ−としては質の高いソフトとは言えると思われる。お嬢様シナリオ王道は絶対嫌だとかでなければ、損はしないだろう。■H灯里 ⇒4瀬奈 ⇒5静流 ⇒5ひなた⇒4麻夜 ⇒4螢 ⇒1セクロスシーンがちゃんと充実させているというのは実に好印象。基本的にはコスチュームか制服か私服。尺と濃さはやや濃いくらいだけど瀬奈と静流は特殊でヘンタイ。良い意味で。■GAME画面はワイド固定。最低限の環境は整っていて不足なし。選択肢飛ばしがあるのは便利。■音楽主題歌『Change&Chance!』Vo.榊原ゆいED『光差す未来』Vo.霜月はるか主題歌・EDと共に安心のいつもの雰囲気。OPはアップテンポで明るめ、EDはゆったり、しっとりの曲で両曲とも得手としている(と思う)曲調。■声優真中海(灯里)青葉りんご(麻夜)夏野こおり(静流)五行なずな(瀬奈)佐々露香(ひなた)みる(蛍)鈴木蘭(真琴)井村屋ほのか(茅明)■CG枚数は差分含まずに全117枚。うち、SD原画が18枚。安心のこぶいち・むりりん・こもわたクオリティ。ゆずらしい、丁寧なアニメっぽさを基調としたグラフィック。グラフィック関連で言うなら、ゆずは3本の指に入ると言っても良いかも。■難度共通が5時間半、個別が4時間前後。フルコンプが25時間前後とそこそこ、長い。前述のように多少の中だるみはあるものの、冗長に感じる部分が少ないので苦にはなりにくい。■総評ゆずソフトらしさを発揮した萌えゲーの王道。丁寧に作られたソフトで大きく、外すことはないと思うが1ヶ月もすれば、忘れてしまうかと言われれば、その通りでもある。【萌え】と【エロ】を武器にしているので合致するなら、悪くはないだろう。★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)ひなたは設定上、影武者であることを一発で見破るわけですが折角の後輩要素を巡り巡って同級生にしていることで殺してしまってるのは勿体無い。結果的にひなたシナリオが一番、相思相愛を語るまで遠回りしている感じがした。友人関係もひなたはちょっとギクシャクしてるし。あと……そろそろ、お嬢様黄金パターンは食傷気味。でも、そんな中で影武者である匠を朱里と一発で見分けるという流れはなかなか、ステキだと思うんですよ