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恋と選挙とチョコレート sprite (こいとせんきょとちょこれーと) 真風さん [2011年2月18日]

・シナリオ:☆☆☆
・H度:☆☆
・GAME:☆
・音楽:☆☆☆☆
・CG:☆☆☆☆☆
・難度:☆☆

・総評:75点



■あらすじ

恋をしたい主人公の大島祐樹とチョコが嫌いな住吉千里。
二人は幼馴染で私立高藤学園に通う2年生。
友人である学友の美冬と共に食品研究部(通称ショッケン)に所属している。

とは言っても、ショッケンは部費で購入したお菓子を有効活用するわけではない。
単に個人消費しているだけのダメクラブだった。
それでも、部員にとっては時間を共有できる、かけがえのない場所。

しかし、ショッケンに訪れる危機。
次期生徒会長に立候補している皐月が乱立した実績のない部活動を整理するという公約を掲げたのだ。

それも至って反論する余地のないショッケンは名指しで廃部を言い渡されてしまう。
廃部を改めさせるため、策を巡らすが今更になって実績を残すことなんて到底、無理な話。
最終的に残った選択肢は【選挙で皐月に勝利、公約を潰す】というもの。

可能性なんてないと首を振る主人公だったが、立候補を迫る千里に結局は立候補させられてしまう。
半ば、祭り上げられてしまった祐樹にやる気なんてゼロだったが自分たちの居場所を守る為に頑張る部員たちを目にする内に少しずつ、変化していく。

一方で偶然に知り合った、特待生の衣更との出逢いを切っ掛けに見えてきた学園内部の問題。
部活引いては学園を守るには生徒会長になるしかないと決心した彼は本気で選挙戦を始める。

■シナリオ

話題先行のゲームは大体が肩透かしや期待ハズレを喰らい、残念な評価になってしまうことが多い(と思う)。
本作も発売前から、大々的な宣伝が見られていたソフトだったものであんまり、シナリオには期待してなかった

そして肝心な評価だが悪くはない。
中途半端で申し訳ないが評価出来る部分とガッカリ要素の混在するゲーム。

というのも【選挙】と【恋】というプレイ前からわかる様に普通の凡庸な学園モノに比べたら、ちょっとだけ+@の要素が絡めてあって面白い。
脚本・シナリオ部分については選挙戦までという枠組みでなら、そこそこ充実した展開だったと思う。

ヒロインによって、結果を変えているのも良かったし選挙戦の過程はまあまあ、感情移入に足る内容。

さて、問題点。
基本的に妙にリアルさが滲み出てる。
あ、女性視点でライター書いてるな、コレみたいなのがちょっと露骨に感じる部分があってチープ。

あと描写の掘下げと描写不足が多い。
肝心な部分が数行のテキストで終わってたり。

■千里
初回ルート固定仕様。
多分、この子の好き嫌いが最初のハードル。
良く言えば、嫉妬心の強い幼馴染、悪く言えば束縛強いメンへラ。

シナリオは多分、一番面白い。
まともな選挙戦をしているし、千里との恋の行方とチョコ嫌い・トラウマなどタイトルに適ったルート。
デレ部分も充実してるし
ただ、ちょっと理不尽なのが人を分けると思う

■皐月
敵対陣営の娘なのに何か、空気化しちゃった残念な子。

途中から、彼女の生い立ちや彼女の想いを主人公その他選挙をそっちのけで展開。
主人公に諭されて、見えてなかったものが見えた皐月…みたいな展開。

主人公との馴れ初めとか好きになった理由とかの掘下げが不足してて謎。
ちょっと強引なルート

■衣更
主人公が彼女と会って、何故かととも積極的なルート。
本来の部の存続という目的をそっちのけで学園制度の問題に入れ込んでしまったので部は内部分裂。

離れていく部員たちとひたすら、ウザい子な千里。
ひたすら、独善の道を突っ走ってしまった主人公。

■美冬

ドロドロ三角関係。

■未散
選挙って何でしたっけ?

未散の正体と内部事情が判明。
選挙はダイジェストで語られ、しかもあっさり。

しかも良い子ちゃんな千里。
一線を隔して置いてけぼり。

全体的に「恋」の部分は目新しいものはなく、掘下げが足りないのでやや強引で、シナリオゲーというよりはキャラゲーといった方がしっくり、来るかもしれない。

キャラは魅力的、シナリオは惜しいトコロが多い。
まあ、普通の学園モノよりはまあまあ、面白いので頑張りましたねの努力賞くらいには値するかも

■H

千里:3
衣更:3
皐月:3
美冬:3
未散:3

当初から言われてた通り、お察し。
回数は普通。尺と濃さは……ねぇ?

■GAME
環境は最低限。
しかし、気の利かないトコロが。

「Ctrl」キーが使えず、既読スキップ使えないのが地味にきつい。

あと冒頭で触れたように初回は千里固定。
全ヒロイン攻略でEX解放

■音楽
主題歌『INITIATIVE』
Vo.川田まみ

ED『Jewelry Time』
Vo.Ceui

挿入歌『piece of my heart』
Vo.舞崎なみ

千里ED『a little love song』
美冬ED『傷つけられるより傷つけるほうが痛いよ、なんて…』
皐月ED『青空StartingLine』
衣更ED『三つ葉のクローバー』
未散ED『きみのいろ おしえて』

主題歌の川田曲はアップテンポで爽快感のある久々の良曲。
EDはCeuiらしい、穏やかな曲調。
あと筆者好きです、Ceui。

キャラソンEDは『青空StartingLine』イチオシ。
再生回数も一番多い。多分

■声優
杜若桔梗 (千里)
小夏スミレ(皐月)
鳴坂ありす(美冬)
杏子御津 (衣更)
井ノ原理子(未散)

※ヒロインのみ抜粋

■CG
枚数は86枚とやや、少なめで寂しい。
塗りやタッチは柔らかめで水彩タッチで独特。

多少、崩れてる部分もあるが(特にセクロスシーン)基本的には綺麗。

■難度
プレイ時間は共通が3時間程度、個別が3時〜5時間くらいで総プレイ17時間くらい。

選択難度は普通

■総評

千里が受け入れられればという前提ではあるが佳作といってあげても良いと思う。

選挙と恋というテーマから言えば、ある程度の魅せ方が出来ているとは思うが「恋」の部分の掘下げや描写、まとめ方という点で勿体無い部分も多い。

やっぱり、2,010年の努力賞-頑張ったで賞-くらいは付くんじゃないでしょうか
★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
どのルートでも基本的にエンディングは良くてもヒロインと短時間しか会えないってのはホントにほろ苦いなw

どうでも良いけど、リアルに考えたら、ショッケン部みたいな部活って廃部で皐月さん正論ですねw

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