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きっと、澄みわたる朝色よりも、 propeller (きっとすみわたりあさいろよりも) 真風さん [2009年8月2日]

・シナリオ:☆☆☆☆
・H度:☆
・GAME:☆
・音楽:☆☆☆☆☆
・CG:☆☆☆☆☆
・難度:☆

・総評:79点



■あらすじ
互いの希望を持ち寄って、夢を語ろう。
そうすれば、そこに仲間ができる。
互いの思いやりを持ち寄って、重ね合わせよう。
そうすれば、そこに絆が生まれる。
互いに手を取り合えば、そこには―

―俺たちは、全員揃って初めて【俺たち】だった。
他の何にも替えられない仲間たち――【四君子】
例え、離れ離れになろうとも色褪せることのない絆があった。

そして幾年かが過ぎ、彼らは再び巡り逢う。
そこに待っていたのは、あの頃と変わることのない輝かしい日々と絆ではなく、冷たい現実だった。

あの頃の絆を信じ続けたのは自分だけだったのか。
俺は誓った。
きっと、あの頃の関係を再び取り戻せる……成し遂げると誓った。

■シナリオ
これほど評価の付けづらい作品も久しぶり。
朱門氏メインの作品に触れたことのある方なら、覚えがあると思うが相も変わらず、独特のクドイ書き方は健在である。
物語は長編ノベルのような形で叙情的な描かれ方。

その影響もあるかも知れないが脚本や展開・雰囲気、共に非常に綺麗な話で王道的ながら、高いレベルで感情移入できる。
四君子と廻る輪廻(ネタバレ回避の為、詳細は触れない)が叙情的な雰囲気とマッチしていて、ある程度の満足感と感動を味わえた。

ただし、与神ひよに限った話である。

そもそも、このきっ澄発売前に予測出来たユーザーはいるのだろうか。
このゲームにはひよしかヒロインがいないのだと。
評価は付けづらいが、推奨できるのは単純明快でひよを一定以上、気に入れる方限定。

ノベルゲーとして、ひよゲーとしては及第点ながらもエロゲーとしては不満という珍しい形。
逆にそれぞれにルートがあれば、良作以上になり得ただろうという惜しさも感じるが、お朱門ちゃんはあえてしなかったのだから仕方ないが。

■H
ここに期待して買うゲームでもないだろう。
でも、あえて書かせてくれ

まさか、メインヒロインにしか本番がないとは聖徳太子もビックリだよっ…それも1回。

あとはちっともエロくないフェラ。あとは全部、未遂。

■音楽
OP主題歌【紅葉】
挿入歌【藤の帳と夜の歌】
ED曲【明日を描く想いの色】

担当:WHITE-LIPS

手放しに褒める点は音楽関連でBGMも高水準。

CV:青山ゆかり(ひよ) 、さくらはづき(春告)、木島宇太(笹丸)、有栖川みや美(夢乃 蘭)、瀬木幸(鬼武先生)、海原エレナ(青姉)、真中海(若)、霞春香(青妹)

■CG
CG数169枚でデフォルメ抜くと142枠。
カットインも抜くと少し減る。
その内、エロCG率は12枚と寂しい限り。

ただ、貴重なやすゆき&ヨダ原画はやっぱり高水準。
CG欄に関しても質的には文句の付け所なし

■難度
プレイ時間は14〜15時間くらい。
全4章構成でそれぞれ、四君子メインの描写+最終章。
選択肢は意味なし。勿論、ルート分岐がないから

■総評
人によって評価のガラリと変動する余地のある作品。
ひよだけで、この水準のシナリオが描けるのなら、せめて若・春告・蘭のルートがあればと惜しい気持ちばかりが先導する不完全さが残る。

お朱門ちゃんといえば、メーカーが違うが前作【いつ空】にふたみルートしか存在しなかったかのような気持ちになる。
でも、ひよゲーとして見るならば佳作ではある(ひよ以外が目当てなら−50点くらいはしていい)

★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
まあ、インタビューでひよゲーだというコメントは確かに見ていたが蓋を開ければ、ちょっと意地悪な売り方だったとは思っている。
ひよが気に入っていて、若のルートも欲しいと思っている自分さえ、これなのだから。

ネタバレ項目だから語るが、四君子それぞれを魅力的に描き過ぎたせいか、笹丸にとって輪廻や前世の記憶がなくたって、【ひよしを差し置いて他にいない】という部分が弱い気はする。
一本道が不満なのはこの辺からもある。

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