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planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 Key / PROTOTYPE (ぷらねたりあん 〜ちいさなほしのゆめ〜) あとりさん [2013年1月2日]

・シナリオ:☆☆☆☆
・H度:−
・GAME:☆
・音楽:☆☆☆☆
・CG:☆☆☆
・難度:☆

・総評:72点



■あらすじ
舞台は近未来。
30年前に勃発した世界大戦により人口は激減し、厚い雲で覆われた地表では、止むことの無い雨が降り続いていた。

そんな世界にある自律型戦闘マシンが跋扈する危険な都市に、一人の男が潜入した。
そして、身を隠すために侵入したビルの中で、ある施設を発見する。

プラネタリウム――。
昔、満天の星々を眺め人々が心を癒した空間。そこで彼を一人の少女が迎えてくれた。

少女の名は「ゆめみ」。30年もの間、訪れる人が誰もなかったプラネタリウムで、客を待ち続けていた解説員ロボットだった――――。


■シナリオ
……これ、ゲームだよね?
そう聞きたくなってしまう程にこの作品には、ゲームらしさが全くない。

お話としては人のいない荒廃した世界が舞台と言うことで、メインとなる登場人物が二人しかおらずこじんまりとしており、全体的に暗いと言うか、灰色な感じ。
派手さはないものの、高い文章力と丁寧なテキストで書かれる物語は非常に繊細で動きが少ない分、とても細かく違和感なく入り込める。

主人公の「屑屋」とロボットの少女の「ほしのゆめみ」のやり取りや距離感はいい感じだし。

ただ……とにかく短すぎる。
希望が見えたかと思ったら、後半……と言うか終盤の終盤は結構キツい展開になるけれど感情移入するには少し、過程が短すぎて鬱な気分にはなるけれど、泣くことは出来ない。

当然、人によると思うけど私としてはもう少し、屑屋がゆめみに温かい感情を抱く過程が長く描かれていたら絶対に泣けたと思うし、片方はロボットであるとは言え男女なのに恋愛要素が皆無なのは少し残念。

あと、最初にも言ったけれどゲームらしさが皆無。
選択肢が一つもないことにはまあ目を瞑るとして、

・立ち絵で動きを魅せる
・CGや背景で説明をする
・効果音で処理をする

と言うゲーム特有の魅力がなく、文章のみで全てを描いてしまっていることは非常に勿体ない。
立ち絵のゆめみの瞳をカメラにしていたりと細かい芸があるにはあるので、尚更である。

でもまあ、意見が割れそうではあるけど希望を持てるラストだし、ゆめみや人々の温かい感情が伝わったり胸に来るものがあるのは確かで、終わってみるといい話だったとは思う。
雰囲気を楽しめたし、余韻も充分


■キャラクター
メインとなるのは屑屋とほしのゆめみの二人。
普通に考えたら少ないけれどこの二人だけで充分、話は成り立っているので問題はない
ぶっきらぼうな屑屋と噛み合わないゆめみの対応とか見てて面白いし、距離感が上手い


■H度
皆無。と言うか必要ない。


■GAME
皆無。テキストを読むだけなのでオートにしていたら自動的に終わる。
システム面は必要最低限。


■音楽
音楽に関しては、流石、定評のある鍵。
数は10曲にも満たないもののどの曲も、質が高く素晴らしい。
本作において音楽の力は非常に大きい。


■声優
小野大輔(屑屋)
すずきけいこ(ゆめみ)

両者共に違和感なし。
すずきけいこ氏はリトバスで葉留佳と佳奈多の演じ分け&演技力に感動したけれど、今作でもその演技はバッチリでもうすっかりファンです、はい


■CG
原画は駒都えーじ氏。
独特の美麗な絵で質は高い。
枚数は背景含めて20枚程と、数字だけ見ると少ないけれどボリュームと値段を考えたらまあ、相応かな


■難度
読むだけ。


■総評
作品出来自体は良い。ただ、短い。
中古で1000円程で買えるし、ゲーム性に期待せず、世界観や雰囲気が気に入ればそれなり満足出来ると思う。

プレイ後は多分、プラネタリウムに行きたくなる

★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
ライターが同じなだけにゆめみの過去の回想は少し、クラナドのことみ編と通ずるものがあったなあ……

こじんまりとしているように思えて、なかなか壮大な物語だったかもしれない。

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