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Princess Frontier Portable AXL / Alchemist (ぷりんせすふろんてぃあ ぽーたぶる) あとりさん [2012年12月12日]

・シナリオ:☆☆☆☆
・H度:−
・GAME:☆☆☆
・音楽:☆☆☆
・CG:☆☆☆☆☆
・難度:☆☆☆

・総評:83点



■あらすじ
王国の若き騎士候補生、リュウ・ドナルベインは、任官式典パーティーでの失態で辺境の村に左遷され、村の少女ロコナらと国境警備の任務につく。

ある日、ポルカ村に謎の貴族少年がやって来る。
態度がデカく、世間知らずで負けず嫌いのお坊っちゃま。その正体は……リュウの左遷の原因となった、あのお姫様だった!

村に伝わるという幻の花を探して、てんやわんやの大騒ぎ。
能天気で平和な、でも本人たちは必死な。
アクの強い仲間たちと送る、ファンタジックな田舎生活。
そんなドタバタ辺境物語が、始まろうとしていた――


■シナリオ
一言で言うなら、アットホームな作品である。
辺境の小さな村、少ない住人。主人公は経緯が経緯な為に最初は嫌疑の目で見られ、露骨に避けられたりするところから始まるのだけれど和解して、村に馴染み信頼を得る過程がしっかり描かれている。

そこで話に入り込めたのなら後は、仲間達とのバカ騒ぎに笑い、ヒロイン達とのいちゃいちゃイベントにニヤニヤし、ずっと楽しめる。

全体的に見て非常に丁寧に作られていて、移植版のヒロインの扱いもなかなか良く、ボリュームが結構、あるのに対し飽きが来ない作りになっていて面白い。


▼共通
取り敢えず言いたいことは、長い。
声を全部聞いて13時間程と、長い。
長いけれども会話のテンポは良く、キャラクターの掘り下げはきっちりとされていて苦にならない。
初回は個別も合わせたら15〜17時間程と長いけれど二周目以降は、シーンスキップ機能があるので割と短い。

▼アルエ
話としては、身分の差が壁となるお嬢様系ヒロインの王道。
アルエは王女なので通常より少し、話の規模が少し大きい。
内容はベタだけれど移植に当たって加筆されたらしい新ルートはリュウとアロンゾの共闘が熱く、ラストも爽やかな大団円で出来がいい。

あと、アルエの父親は典型的な頑固親父だけれど婚約者は割と、物分かりのいい人だったのは好印象。
婚約者の救済があれば尚、良かったかな

▼ロコナ
この話が一番、作品全体に見合う規模で展開していたように思える。
地味とも言えるけれどヒロインのロコナが主人公の恋人相手として一番お似合いであると言うこともありまあ、なかなか

▼レキ
個人的に一番良かったお話。
レキのキャラが気に入れば、普段はクールなレキの初々しさとかバカップルっぷりに終始、ニヤニヤ出来る。
百合要素があったのもプラスだったり。

▼ミント
正直、一番微妙だった話。
話自体は普通なのだけど、序盤の展開が個人的にかなり嫌いな展開(ネタバレ参照)でミントの印象が悪くなり、それを引きずって結局あまり……。
男共の密談はかなり、良かったけども

▼モニカ
モニカと言うヒロインは好きだし、悪くはない。
けれど中盤の展開がアルエ新ルートと被ること、恋人関係になるのが遅いのでいちゃいちゃイベントが少ないのがマイナス。
ボリュームが少ないのもあるし


■シナリオ評価まとめ
星で表すなら☆4。
共通が濃いのに対して個別は基本あっさりめでご都合主義が結構、目立つ。
ハッピーエンド至上主義の私は別に構わないが、それを差し引いてもヒロイン内で少し落差がある。

正直、アルエ→ロコナ→レキ→ミント→モニカと進めた私の攻略順がよろしくなかったとも思う。
ロコナ→ミント→レキ→モニカ→アルエの順で進めると話的に割といい感じになるんじゃないかな


■キャラクター
各ヒロインで大きな差が付かないように皆、丁寧に掘り下げられているように思える。
敢えて言うならアルエとミントが少し下がるけれどまあ、特にこの子が好き! と言うヒロインはいない……皆魅力的ではあるけど

それよりも注目すべきは男共。
ジンとホメロとアロンゾの存在はこの作品において非常に大きく、皆ギャグシーンだけではなく、シリアスシーンでも活躍出来るのは素晴らしい


■H度
CERO Cだけども特になし。
決して悪いことではなく、むしろPC版にあるムフフなシーンの差し替えがとても自然で違和感がないことは好印象。


■GAME
システム面は一通り揃っているけれど良いところと悪いところがある。
良いのはスキップせずシーンをまるごと飛ばせるシーンスキップ機能。これは非常に便利。
悪いのはBGMの音量が大きくボイスの音量が小さいことと、スクリーンショット機能がないことかな
まあ、そこまで気にする程のものでもないけれど

ヒロインのタイトルコールがランダムであったり、ヒロインの攻略状況に合わせてスタート画面の絵や曲が変わったりするのは少し、楽しい
あと、全ルートクリア後にEXTRA解放で線画やラフ画・設定画が見られると言うちょっとしたおまけがある


■音楽

▼BGM
田舎が舞台なので民族的だったりのんびりした曲が多い。
都会に行ってる時はきらびやかな音楽が流れるし、シリアスなシーンでは緊張感のある音楽が流れるし、まあ、普通。

ただ、違うBGMに変わる時にぶつぎりで急に切り替わるのが少し、気になった

▼ボーカル曲
・OP1
「オモウチカラ energyfrow shortver.」 / Rita

・OP2
「Dive To Future」 / 奥井雅美

・アルエ編ED
「約束の場所」 / 真理絵

・アルエグランド編ED
「Draw a tomorrow」 / 片霧烈火

・ロコナ編ED
「my sweet home」 / 茶太

・レキ編ED
「starting over」 / iyuna

・ミント編ED
「羽ばたく翼」 / 茉白

・モニカ編ED
「ふたりのプリズム」 / 霜月はるか

ボーカル曲は豊富。
OPは両曲共アップテンポの明るい系、EDは皆スローテンポのしっとり系。
曲数が多いのはよろしいけれどヒロインごとに違うと聴く機会が少ないので、ED曲に愛着はあまりない。
どの曲もヒロインとイメージの合った詞だし、質は皆高いけども

起動毎に流れるのを聴いていたので、愛着があるのは「Dive To Future」だけれど「オモウチカラ」も結構、好き。


■声優
鈴本かおり 力丸乃りこ
友永朱音 西沢広香 斎藤千和
永田佳代 伊藤静 能登麻美子
岡哲也 岸尾だいすけ 伊藤健太郎

ヒロインの声優では友永氏と千和が大好きだけれど……今回はジンの中の人、岸尾さんがいい仕事しすぎである。
絶対、ノリノリでやってるだろw

あとアルエの鈴本氏の演技が棒とまではいかないけれど一本調子なのが少し、気になった
あまつみの夏帆は凄く自然な演技で好感が持てたのだけど


■CG
原画は瀬之本久史氏。
瞳の描き方が独特で、好き嫌いが別れるかもしれないけれど私は結構、好きだし、立ち絵・CG共に崩れもなく綺麗。
アップになると少し古さを感じるけれど、質は高い。

枚数もヒロインごとの枚数差は結構、あるけれど差分抜きで159枚と大ボリューム。
差分を含めると倍とまではいかないけれどかなり増えるし、CGに関しては文句なし。

SDはネタが豊富で遊び心を感じるような絵が多く、見てて楽しい。
あと、キスシーンのCGがどれも綺麗。


■難度
オーソドックスに選択肢を選ぶタイプ。
ただ数が結構、多いのとどちらを選んでも支障なさそうな選択肢ばかりなので初見でお目当てのヒロインに辿り着くのは少し、難しいかも。


■総評
手堅くまとまった良作。
絵に抵抗がなければ買っても損はしないと思うし、ドタバタが好きならオススメ。

★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
自分も相手のことが好きなのに友人の恋を応援して結局、自爆する

相手の男「俺が好きなのはお前だ!」

最初、応援されていた友人が身を引く

みたいな展開はもうね、滅べばいいよ
ミント編はそこまでではなかったけども、やっぱりマイナス要素になるなあ

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