・シナリオ:☆☆☆☆☆・H度:−・GAME:☆☆☆☆☆・音楽:☆☆☆・CG:☆☆☆☆☆・難度:☆☆☆・総評:96点美しい自然に彩られた、幽玄の世界。そこで、彼は目覚めた。それは、人の想い全てを呑み込む、大いなる戦いの始まりだった――。■あらすじ大陸の北東に位置する辺境の小國の村、主人公はそこで目を覚ます。『エルルゥ』によって大怪我をして倒れていたところを発見されて、助けてもらったらしい。だが、一命は取り留めたもののそれまでの記憶を失っていた…。自分の名前さえも思い出せない主人公は『ハクオロ』と名付けられる。エルルゥ達の手厚い看護を受け徐々に回復した『ハクオロ』は、村の貧しい生活を見て自分が出来得る限りの力を貸すことにする。傷を治療しつつ、畑を耕したり、村人との交流を深める等、ゆったりとした時間が過ぎていく…。そして『ハクオロ』の傷も大分癒え、村人皆が待ち望んでいた収穫の時季になる。皆が協力して頑張った甲斐もあり、今までより多くの収穫量となった。だが、その噂を聞きつけた藩主が難癖をつけ、税として貴重な食料を徴収してしまう。更に様々な要因が絡み、ついに『ハクオロ』達は叛乱軍として蜂起せざるを得なくなってしまった…。■シナリオ構成としては、完全なる一本道。『Steins;Gate』のように、ルートはないけどエンディングはあるなんてこともない。それにプラスしてヒロイン達に負けず劣らず男共のキャラが立ちまくりで、ヒロイン達とのラブなイベント等も無し、終盤に明かされる主人公の過去とか色々、「あれ? これ、ギャルゲーやないのん?」と思わせる要素が盛りだくさん。だけどそれらが全て、この『うたわれるもの』の良さであって、ストーリーであるからして、「それギャルゲーとして駄目じゃね?」と言われたら、全力で首を横に振ってしまうでしょう。正直、恋愛要素は薄い。メインヒロインであるエルルゥは、物語の中で重要なのでまあ、エルルゥとの関係は割と描写されているけれど基本的、主人公であるハクオロが皇になったことで国同士の戦争とかに深く関わることになって、それをメインに話が進んでいくので、エルルゥとの関係も恋愛要素は薄めです。寝たんだろうと思わせる描写はあったけれど、両者共、そんなに態度が変わらないし(コンシューマーだから?)、恋愛とかしてる場合か! ってぐらい話がどんどん大きくなっていくし。その「話がどんどん大きくなっていく」って言う部分は恐らく、賛否両論なんじゃないかなあと終盤の展開を見て、思ったり。貶しているように見えるけれど、名作と名高い作品だけあって話としては、ほのぼのと燃えと感動のバランスが絶妙でかなり面白いし、長さもちょうどよくてアニメっぽい。ただ、ギャルゲーっぽくないと言うだけ。終始、普通のアドベンチャーゲームをプレイしているような気分でしたね。■キャラクター数は仲間内だけでも結構、多いけど、バッチリ全員キャラが立っていて尚且つ、魅力的であるのは素晴らしい。嫌いなキャラがいない。ヒロインの中ではカルラとカミュが特に好きで、男キャラの中ではオボロとベナウィが特にお気に入り。オボロはADパートのボロボロっぷりと言い、SLパートでの有能っぷりと言い、良キャラすぎるだろうJK。■H度皆無。本当に原作、エロゲーなん? コンシューマーオリジナルじゃないん? と思う程、エロに皆無。逆にPC版ではどこにHシーンがあるのか気になる……エルルゥと寝たっぽい描写があったけど、そこか?■GAME□システム面バックログが分かりにくい。最初、バックログは無く、話を聞き逃しても戻せないのかと思って、めちゃめちゃ真剣に丁寧に台詞を聞いてた(笑)あるのに気付いたのは中盤……もっと普通に△とか□押したら出るとかにしてほしいなあ。それ以外は特に、不満に思うところはなし。□SLパートいや、正直、めっちゃ面白い。ループしてしまった……本当。区切り区切りで入るから、お話がテンポよく進むし、必殺技とかコンボとか、かなり面白いし。標準難度と高難度があり、高難度はなかなか難しい。特によかったのは“協撃”。ハクオロ&オボロのとカルラ&ウルトの協撃が特に好きで、頻繁に使ってたなあ……必殺技の時、絵が出るのも◎。ちなみに、SLパートで得られるアイテムを全部集めるとボーナスステージが出る。■音楽□BGM曲数は少ないけれど、『采配をふるう者』『ユカウラ』等印象に残っている曲もあるし、他も皆、場面にマッチしていて○。□ボーカル曲OP・ED共にSuara氏。両方作品にマッチしていて○。オープニングはフルアニメで、中盤以降アニメーションが少し、変わる。こういうの、ちょっと嬉しい。あと、クリアすると特典にアニメのオープニングが見られる。■声優柚木涼香 沢城みゆき中原麻衣 田中敦子 三宅華也渡辺明乃 釘宮理恵 大原さやか田口宏子 水橋かおり小山力也 桐井大介 浪川大輔小山剛志 吉野裕行 飯塚昭三大川透 野島裕史等々、豪華な声優陣。沢山居るのに皆が皆、キャラクターにバッチリ合っていて凄い。特に柚木涼香のエルルゥ、沢城みゆきのアルルゥがドンピシャ。あと、主人公にボイスがあるのはなかなか嬉しい。オカリンと同様、ハクオロさんも良いキャラだし。■CGLeafでお馴染みの甘露樹氏。2002年のゲームなのに古さを感じさせない柔らかい淡いタッチの絵で、立ち絵・CG共に崩れもなし。CGは枚数は分からないけれど特に少ないとは思わなかったかな、ちゃんとあるべき場面にはあると思うし。クリア特典CGもある。ちなみに特典CGも含めてコンプするには標準難度だけではなく高難度もクリアしないといけない。■難度選択肢のない一本道なので、戦闘がこなせれば楽にクリア出来る。戦闘も標準難度ならそんなに苦戦はしないと思う、操作は簡単だし■総評燃え・感動のバランスが良い名作。やって損はない。絶対、楽しめると思う。★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)初めてアヴ・カムゥのCGを見た時、ちょっとビビったのは内緒wアヴ・カムゥ以降を超展開って言う人多いみたいだけど、あの時代であの姿、正に最終兵器って感じがしていいと思うけどな〜