・ｼﾅﾘｵ：☆☆☆☆
・Ｈ度：−
・GAME：☆☆☆☆
・音楽：☆☆☆☆
・ＣＧ：☆☆☆
・難度：☆☆☆

・総評：90点

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　　い
　かつて交わした約束と。
　　か
　　還
　　る
　　べ
　　き
　　場
　　所
　　へ
　　 。


■あらすじ

――水深51ｍの海中に浮かぶ近未来の海洋テーマパーク“LeMU／レミュウ”。
ここに、なんの前ぶれもなく７人の男女が閉じ込められた。

徐々に失っていくもの：食料・水・酸素。
新たな脅威：深海に棲息する未知のウィルス。

さらに、苛烈な水圧にさらされたLeMUの隔壁は１１９時間以内に崩壊すると言う。

分厚いガラス窓の向こう側は、濃紺の深い闇……。
この閉ざされた空間の中で、限られた時間の中で、
次々と起こる危機を乗り越えながら、７人は脱出への道を探し続ける。


（パッケージ裏より）


■シナリオ
この作品には主人公が二人居て、プロローグ中にどちらの視点で話を進めるかの選択肢があり、選んだ方の視点で攻略出来るヒロインが変わる仕様。「俺は――」で武視点、「僕は――」で少年視点に。

共通パートがかなり長いです。と言うか、ココ編を除くと７割ぐらいが共通パート。それぞれのヒロインのストーリーは大体、２・３時間で終わります。共通パートは私のペースで大体５時間程。ちまちま進めていた為、総プレイ時間は70時間と凄いことに……。


□共通パート
武視点と少年視点に分かれていますが、掘り下げるヒロインが違うと言うだけで、この作品の出来事的に話は大体一緒。
結構長いので少しダレるかも。
私は楽しんでいましたけども。

世界観が世界観なだけにシリアスなのですが、明るい人物が多い為？　共通は割と明るめです。「海の中に閉じ込められて救助が来ない」と言う状況の割に、あんまり危機感や緊張感はないのですが。

武視点では居るココが少年視点では登場しなかったり、
少年視点で居る沙羅が武視点で登場しない理由は……？


□ヒロイン別シナリオ
ココ編はつぐみ・空・優・沙羅の４人を攻略しないと進めない仕様で、ココ編で一気に伏線を回収します。なのでココ以外の４人のヒロインの個別は伏線を残したまま消化不良に終わります。

つぐみ　　☆３
後に繋げる為に仕方ないのですが、バッドエンドじゃないはずなのにラストが悲しすぎる……。

空　　　　☆４
「立体映像と恋」と言う特殊な設定なのですが良かったなあと。ラストはやはり悲しいですが。

優　　　　☆３
優より優のお母さんの方がかわいい。

沙羅　　　☆４
沙羅とのまさかの関係にはびっくり。

ココ　　　☆５
最後に攻略出来るヒロイン。そして今までの伏線を回収する作品の要。もう本当に……色々と感動。


□シナリオ評価まとめ
とりあえず言いたいのは、絶対に最後までやって、終わるまでネタバレの類は絶対に見るな、と言うことです。
ココ編の伏線回収と作品全体のトリックは本当に見事としか言いようがありません。ライターさんよくこんなの考えたなあ〜、と感心……。

ただ、ココ編までが長い。
途中でダレてそのまま積んでしまう人も居るでしょうね。


■Ｈ度
エロゲーの移植でなくコンシューマーオリジナルと言うこともあって、無し。ただつぐみと武は絶対……ごにょごにょ……


■ＧＡＭＥ
システム面はかなり親切で、ここまで充実しているのは珍しいですね。ショートカットと用語解説があるのはとても嬉しい。


■音楽

□ＢＧＭ
曲数は少ないですけど一曲一曲が良くて素敵。特にスタート画面やシリアスなシーンで流れる「Ｋａｒｍａ」は印象に残りますね。それと「Ｋｌａｍａｕｋ」がお気に入り。

□ボーカル曲
オープニング・エンディングは両方共ミンゴスこと今井麻美さんが歌っていまして、エンディングは曲は一緒ですけどヒロインごとに映像が違います。

けど特典？として付いていたものを見ると、ＰＳ２版のオープニング・エンディングの方がいいかなあ、と。ミンゴス好きですけどね。


■声優

保志総一朗（倉成武）
浅川悠（小町つぐみ）
笠原弘子（茜ヶ崎空）
田中優（下屋則子）
植田佳奈（松永沙羅）
八神ココ（望月久代）


ネタバレになるのでかなり省略してますけど。大好きな植田佳奈氏が出ていて嬉しい！　ですが今回は空役の笠原弘子さんが個人的ＭＶＰです。歌声も素敵！


■キャラクター

□主人公

倉成武　　☆５
気さくで明るくて良い奴ですね。◎。

少年　　　☆３
本名は伏せておきます。武視点の少年は嫌いじゃないのですけど、少年視点の少年は微妙かなあ……。

□ヒロイン

小町つぐみ　☆３
少年視点でのつぐみはかなりキツくて嫌――今思えばキツいのが当然なのですけど、輪を乱すような行動が微妙な印象。個別ルート及びココ編で真実が分かった時のつぐみは好きです。

茜ヶ崎空　　☆５
個人的に一番好きなヒロイン。外見・性格・声全部大好きです。つぐみが本妻なので報われない感じが悲しいですけど……。

田中優　　　☆３
武視点での優は好きですが少年視点での優は微妙……プレイした人なら意味が分かると思います。

松永沙羅　　☆５
マヨかわいいよマヨ。個人的には少年との関係が分かる前の少しツンツンした沙羅が好きでしたが……デレてもかわいい。

八神ココ　　☆３
ココ編が一番好きですけどココ自体は普通……かな。


□キャラクター評価まとめ
声優の欄と同様ネタバレになるので省略してますけど、皆それぞれ魅力的で○。空さんかわええ。


■ＣＧ
絵師は滝川悠さん。古さを感じさせないシャープな絵ですが、少し崩れていると思えるものも。立ち絵は普通のものの他に服が濡れているもの等があって細かい。

ＣＧは名前がキャラクターに合わせられていて（優なら英語、空さんならドイツ語とか）楽しい。枚数はそれなり？


■難度
テキストを読んで選択肢を読むだけ。でも選択肢の数は割と多めで少し複雑かもしれませんね……。攻略サイトを見ずに進めたら最初にバッドエンドに辿り着いてしまって(；´∀｀)

攻略推奨順はつぐみ→空→優→沙羅→ココ（ココは固定）です。推奨と言うか、殆どの人がこの順で進めるかと思います。


■総評
話・キャラクター・音楽・絵……全てのクオリティーが高いですね。これで2940円（廉価版）なんて……すばらです！


★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
語るにしたらネタバレ無しではいられませんよね、この作品……。

と言うか確かにトリックは凄いんですけど割と、ご都合主義でもありますよね。やっぱり。面白かったからいいけどね！