・シナリオ:☆☆☆☆☆・H度:☆・GAME:☆☆・音楽:☆☆☆・CG:☆☆☆☆・難度:☆☆・総評:92点プロローグの夢幻篇、過去の回帰篇、本当の目覚めになる現実篇、以降分岐の構成(トゥルーらしき分岐もあり) 現代と過去でテイストが全くことなり、摩訶不思議な要素を含んだ展開になります マノ…狩猟民族・シラキの若者。母のこと大事にしつつも少し疎ましくも思っている。 ミルカ…マノの母親。知的な障害を持つ。いつも笑いながらマノに駆け寄っていく シエ…シトリエで神託を行う身分の高い女性。追われる身であるが、マノに助けられてから互いに惹かれている 愛と情愛を別物と明記した上で3人の関係に絡めるのが非常に上手い この作品では、人と人との絆を『情』という言葉を用いて表現します 『愛』とは似て非なるものという『情』 愛は短いが、情は長いもの。愛は情熱、瞬時に燃え上がる。 しかし、情は友との間、男女の間、親子の間…長く、そして自然に育まれるもの。いつの間にか、生まれてくるものが情。 と、作中では言われています なるほど。 マノとシエに生まれた突然の感情を愛、マノとミルカの間に既に存在していたものを情と呼ぶ シエが愛を求めてしまった故に、マノとミルカから全てを奪ってしまったことへの贖罪として、生まれた夢幻という空間 そしてマノが受けた呪いを共有している少女たち これらの要素を掛け合わせた構成のシナリオは素晴らしかった 登場人物が多く全員の紹介は難しいですが、マナ・雪江・さえか・もえみ・春子・ユリ・彩との繋がりもそれぞれ味がありますボイスなし、ライターが韓国の方でテキストのクセが強いのが難点なのですがそこを補ったシナリオの良さには感服いたしました エロゲをやって泣くということは今でもなんだかこそばゆくなってくるのですが、そんなことも忘れてただただ涙が止まらなかった… 制作スタッフは韓国の方を中心に構成されているようですが、扱っているテーマは日本人にも共感できるものです ★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)最後の場面で、静恵との会話の中にマノとミルカのやり取りを反芻したら、もう涙腺が決壊しました ここまで泣けたエロゲはなかったんじゃないかと思うくらいに 丸戸大先生の作品で流す涙とは全く異なる質の涙でした 良かったね!お幸せに!っていう画面越しの感動じゃなくて、私自身も持っている感情に訴えかけてくる これはある意味、かなり卑怯だ…と思いつつもやってくれたなという気持ちが湧き上がりましたよ