・ｼﾅﾘｵ：☆☆☆☆
・Ｈ度：☆☆
・GAME：☆☆
・音楽：☆☆☆
・ＣＧ：☆☆☆☆
・難度：☆

・総評：75点

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■あらすじ
西暦2056年、ホログラムに質量を保持させたままで生成させることが出来る人口コンピュータ【アクア】が旧来の技術【パーソナルコンピュータ(PC)】に取り替わって8年、世界中で【アクア】は根付いていた。

月ヶ浜はアクアを制御させる為の【ルカ】というアンテナが水平線に在る地で、開発研究組織ECReDの拠点、科学技術都市として発展してきた。

主人公の颯太は母と共に７年ぶりに街に戻ってきた。
しかし、彼はこの街が嫌いだった。
それは、亡き幼馴染の千紗を思い出してしまうから。


――当時、ボクと千紗との距離は何ｍだっただろう。

幾許かの距離に手を伸ばし、彼女を呼び掛けるも、届かなかった。

彼女との距離は次第に遠ざかり――ついに見えなくなってしまった。

数瞬の後、四肢の感覚を取り戻した彼の眼前にあった光景。
朱色に染まる彼女。
脇を転がるオレンジジュースと紙カップの【朱】と【橙】の色との境界が生々しさを語る。

ボクは背筋を伝う、異様な寒さと心臓の鼓動の音を感じながら、動くことが出来なかった。

――あの日から、ボクはオレンジジュースが飲めない。

それでも、この街で凛や奈々璃たち、クラスメイトや担任のなずなとの衝撃的な出逢いなど、学園に馴染もうとしていた。

偶然にも彼は聞き覚えのある声を耳にする。

『そー……ちゃん……』

自分のことをそう、呼ぶ声をひとりしか知らなかった。
それは同姓同名野々宮千紗ではない。
ボクが知っている、死んだと思っていた千紗だけだった。

容姿・身長・ちょっぴり胸のサイズも違う。
しかし、千紗の微笑みは数分も違わず、記憶の千紗と重なった。
夢や幻でもなく、確かにその事実はあった。
そして……

彼女はドジっ子だった。

■シナリオ
もう、あらすじだけで世界観の構築とかシナリオの大部分が終わっちゃってるんじゃない？って位に雰囲気であるとか、物語の設定は良いと思う。

しかし、やりたいことはわかるんだけど表現力や演出力が足りない。
一言で言えば、荒唐無稽で【世界観】という素材は良いんだけどテキストの表現力とか細かい雑さは目立つ。

大きく分けるとWIND編(共通＆各ヒロインルート)・LUKAS編(過去編)・AQUA編(トゥルー)の３つで構成。

共通と個別は１０話＋１０話の割と短い章の集合形式で作られているが多すぎじゃない？ってのと中だるみは結構、多い。
３部構成ということで個別も伏線を撒いてる様な展開が多い。

LUKASとAQUAで伏線の回収と種明かしとなる。
蓋を開けて見るとかなり、シリアス寄りの展開が多い。

総括的にはシナリオ面では悪くはないが納得の記憶に残る良作かと言われればそうでもない。

描き方が丁寧なのは伝わるが、AQUA編に至るまでのテキストの表現不足で割と先が読めちゃったり、主人公が自ら未来を切り開いていくというよりは傍観者側に回るタイプなので感情移入も微妙。

主人公自体は割と良いヤツではあるんだけど、感情移入が薄いので感動場面も力不足や【へぇ…】で終わっちゃう感じ。
しかし、ただでさえ不作だった１月で商業デビュー作ってこともあるし、ポッと出てきた当たりとは言えるかな

■Ｈ
千紗　⇒３
凛　　⇒３
奈々璃⇒３
沙織　⇒１

回数は普通で濃さ・尺はかなり、薄い。
まあ、エロさを求める感じじゃないけど
沙織さんのサブキャラセクロスは微妙

■GAME
ＡＤＶながら、必要スペックは高い。
動作も結構、重いので注意

環境面は普通

■音楽
主題歌
【EVERLASTING BLUE】
挿入歌
【SUMMER DAYS】
ED
【TRANSPARENT】
Vo.月子

ボーカル曲は月子。
ＢＧＭとボーカル曲と共にピアノを基調としてものが多く、ムービーを合わせて聴くと相乗効果を感じる。

■声優
雪村とあ(千紗)
桜川未央(凛)
みる(奈々璃)
まきいづみ(なずな)
藤森ゆき奈(朱美)
鶴屋春人(楓)
鈴音華月(千夏)
秋野花(沙織)
かわしまりの(鹿央)
一色ヒカル(智恵)
英みらい(ルナ)

■ＣＧ
枚数は８２枚とかなり、少なめ。
原画は秋月つかさ氏。

立ち絵・グラフィックと質は高い。
やや、のっぺりした印象も受けるが問題なく、原画買いに値するレベル

■難度
プレイ時間はフルコンプで１２時間弱。
長くもなく、短くもなく。
攻略に関する縛りはないものの、シナリオの都合上のネタ明かしを考えると

奈々璃⇒凛⇒千紗⇒ＬＵＫＡＳ⇒ＡＱＵＡ

が最も理に適っていると思われる。

■総評
デビュー作としては上々の滑り出しではなかろうか。
数多のエロゲをプレイしているとやや、物足りない感じがするものの、及第点には達していると言える。

勿体無い点はかなり、多いのでテキストの表現力を磨けば結構、良作を書けると思う。
ライターの描き方が割と真面目なノリなのでシナリオゲーの方が向いてるかな

雰囲気ゲーだと思ってハードル上げなければ、そこそこの作品。
ヒロインは少ないけど

★ネタバレ(↓に白文字で書かれています)
結局、千紗はＡＱＵＡによって運命を変えたというか身代わりとなったわけだがＡＱＵＡ編だと凛は不幸になっちゃうんだろうか。

まあ科学モノとしては題材はそんなに珍しくないけど、そこそこ上手く纏ってたかな、全体的には

クリア後の絆創膏パッチとＨ立ち絵モードはまさに浪漫という他ない(ぇ

ヒロインでは幼馴染の千紗・ツンデレ定番の凛、ロリ奈々璃とそれぞれ良かったと思うよ
でも、なずな先生と楓が攻略出来ない不具合はどうするんです？